適当に歩いていると曲がり角で偶然鉢合わせた人
げって顔したのバレてるからね
「そうだね〜」と言いながら"真冬くん発見"という
言葉と共に現在位置をシンくんに送信する
「てことで、」と目の前で逃走経路を
把握している彼を見つめる
君たちをスラーの元に置いとくわけにはいかないの、と
その言葉にすっと目を細める
自分の意思でここに、ね
決意が固まってるかのような鋭い眼差しに
どうしたものかと考えていると微かに震えた
スマホにちらりと目を向ける
シンくんからで内容は仕掛けられた爆弾は
真冬くんの体内にあって真冬くんが
死んだ時に起爆するらしい
厄介なことになった、と内心で舌打ちをした
はぁ?って顔しながらも「ないけど」って
答えてくれるとこ好きだよ
この調子じゃ真冬くんは自身に爆弾が
仕掛けられていることを知っているのだろう
真冬くんを守れば爆弾が起爆することはないの
だから爆破計画を阻止することは可能だ
麻樹を殺す為ならば何でもするというスラーが
止められる可能性の方が大きい爆弾を仕掛けるか?
起爆装置も見張りもなしに野放しにしている
時点でスラーは確実に真冬くんが死ぬと思える
何かがあるのだろう
裏があるはずだ
スラーが必ず爆破できると思えるほどの根拠が
なら虎丸ちゃんにも爆弾が
仕掛けられてる可能性が高い
この厳重な警備を掻い潜って事前に
爆弾を設置するのは至難の業
客として紛れ込み今この瞬間に設置するのもほぼ不可能
となれば爆弾はおそらくこの2人に
仕掛けられたものだけだろう
だよねぇ
正直真冬くんを守る方法ならいくらでもある
今すぐに気絶させて館内から出すことも可能だし
器具さえあれば爆弾を抉り出すことだってできる
不意にこちらを黙って見つめていた
真冬くんが口を開いた
淀みなく出てきた言葉が喧騒の中で響く
例えそれが、どれだけ大切な人であったとしても
兄のために真冬くんは殺さなければいけない人がいる
そしてその相手は真冬くんでは
絶対に勝てない相手なのだろう
試験の時より強くなったであろう真冬くん
その辺の殺連員なんか余裕で殺せるはずだ
いつでも手を出せる距離にいたにも関わらず
手を出していないのと、わざわざ殺し合わせる
必要性がないからおそらくスラーの仲間ではない
そこまで考えてふと出てきた言葉に
はっとし、まさかと息を漏らす
確証はない
けれどこれほどまでに辻褄の合う存在も他にいない
───────ORDER?
点と点が線で繋がった











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!