母さんは……自分が傷つかなければなんでもいいんだ…
やっぱり、帰らなきゃ良かった……
そうだよ…今日の夕方、抜け出せばいいんだ。
抜け出して、人目のつかない所に行けば
…楽になれるかな
車に乗り、昨日と同じ場所に向かった。
車から降ろされ、人が来るのを待つ。
その人に目をやり……絶句する。
奏の回想
昴流くんが出ていったあと、なにか様子がおかしいと感じながら、彼が消したテレビをつけた。
初めは何が起きてるかわからなかった。
『行方不明の蓬昴流くんを探しています。
見つけた方は警察署まで──』
胸騒ぎを覚え、家を出て昴流くんを探し回った。
でも見つけることは出来なくて──
半ば諦めた状態でスマホを開く。
すると、友達からメッセージが来てることに気づいた。
『この子知ってるか?可愛い玩具って評判なんだぜ』
そんな言葉と共に送られてきたリンクに飛ぶと。
何度見ても、それは昴流くんだった。
何が起こってるのか確かめるべく、他の人と同じように依頼をして、会うことにした。
奏さんの口調は、どこか怒っているように感じた。
俺は産まれた時から蔑まれて生きてきた。
親にも、同級生にも、周りの大人にも。
母さんは、俺が物心ついた時から酒ばっかり飲んでいて、父さんもあまり俺には構ってくれなかった。
そのまま月日は流れて、俺が中学生になって…
父さんは家を出ていった。
俺と母さんを残して。
それから母さんの当たりはヒートアップした。
なにか気に食わないことがあると俺を殴って、他の男と上手くいかないと暴言を吐いて。
別に悲しいとかは思わなかった。
慣れてたから。
痛みは、少しだけあったけど…今はもう感じない。
もう…、母さんと一緒に居たくない。
でも家を出ると、痛いことをされるから、俺はただただ母さんに従って生きていくだけだった。
……そんな時、母さんが家を開けて。
俺は家を出た。
奏さんは俯いたまま、動かなくなってしまった。
奏さんは、俺をぎゅっと抱きしめてきた。
優しい…言葉……
ポロポロと、涙が止まらなくなる。
嬉しかった。
こんな人……もう絶対会えない。
気づけば、俺は口に出していた。
奏さんは頷いて、俺を抱きしめてくれた。
お知らせなんですけど、もう今年は来れないかもしれません。
なので次の更新は来年になります。
気長に待ってくれると嬉しいです。
それでは、さよなら














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。