第9話

#7
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2024/01/05 10:00 更新
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
ねこおじさん!
MENさんが少し嬉しそうに呼んでいる。
何かいいことがあったのかもしれない。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
はい、どうしました?
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
今日は全員夕食間に合いそうってそれぞれからメール来たんすよ!
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
へぇ……ドズルさんも早く帰れるんですね!
ドズルさん(と時々ぼんさん)は、大抵1日中外にいる。
ドズル社が表でも裏でも有名になってきたからだ。
そのせいで二人は主にアンダーグランドで奔走している。
その「お掃除」ではお金が入らない為、ぼんさんはたまに文句をたれているが。
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
珍しいっすよね!
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
はい!それじゃあ……
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
フッ、豪華なご飯用意しちゃいましょ!
やはり考えることは同じ様で、二人共ニヤッと笑う。
実は他の四人が忙しすぎて、もっぱら夕食を作るのは僕たち二人の役目なのだ。
だから、四人の中で夕食までに帰れない人がいれば冷めても美味しいものが食卓に並ぶ。
逆に全員揃うとなれば豪華な内容になるのが常だった。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
そうですね!
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
……何作ります?
生憎僕はいいメニューが思い浮かばない。
いつもいいアイディアを出してくれるのはMENさんだ。
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
俺は暇なんで、ビーフシチューとか煮込む時間もありますけど……?
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
ビーフシチュー…良いですね!手伝いますよ!
ビーフシチューはドズル社メンバー全員が好きなものだ。
あっという間に脳がビーフシチューの気分に切り替わる。
流石MENさんだ。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
あとは……バゲット焼いて、サラダとワインでも準備しますか。
僕も貢献したかったので、サイドメニューを提案した。
微力にも程があるとは思ったが。
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
良いっすね!
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
久しぶりの全員揃っての夕食なんで奮発しても怒られないでしょうし……。
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
ワイン、めっちゃ高いヤツ買ってきます!
ただし、結局いいことを言うのはMENさんだ。
いいワインとか楽しみすぎる。
因みにアンダーグランドには年齢制限なんて存在しないので、おんおらの二人も好んで飲んでいる。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
楽しみにしてます!
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
じゃあ…こっちは先にバゲット焼いてますね。
僕はきちんと計量すれば必ず成功する料理は得意だ。
逆に適量とかひとつまみとかは全く解らない。
だからバゲットは得意な部類に入るだろう。多分。
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
了解っす!じゃあ爆速で買って来るんで!
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
気を付けて下さいね!
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
はぁ〜い!
MENさんは返事をしながら外に出ていった。
文字通り爆速だ。流石自称有言実行の男。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
……え、速…。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
……まぁいっか、バゲット焼かないと。
買い物はMENさんに頼んでしまったが、せめてバゲットは僕が完璧に焼かなくては。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
え〜っと小麦粉小麦粉……。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
あれ、ベーキングパウダー何処に仕舞ったっけ……?
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
ただいまっす……!
ガチャリとドアを開け、MENさんが満足げに帰ってきた。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
あ、お帰りなさい!
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
どうでした?
声色から何となく結果は判るが敢えて訊いてみる。
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
良いのが売ってましたよ!
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
しかも賞味期限近いからって半額にしてもらえました!
やはりいい買い物が出来たらしい。
得意そうに掲げたのは、高級白ワインだった。
しかも美味しいと有名な、評価の高い銘柄。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
おお!凄いですね!
高級白ワインを半額に、という所にデジャヴを感じた。
確か知り合いの酒屋に、そんな人物がいた。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
……もしかして泉酒屋さんですか?
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
大正解!何で解ったんすか!?
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
あそこの店主と仲良くて。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
朗らかで善い人ですよね!
店主の泉さんは、50代くらいのお爺さんで、人柄がいい。
よくまけてくれるし、年齢確認なんて不粋な事をしない。
年齢確認に関しては「裏社会アンダーグランドだから」かもしれないが。
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
あぁ、成る程。
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
初めて会った俺にもいい人っぷり発揮してたのはそういうことか……。
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
確かに善い人すっね、……心配になるくらい。
MENさんも少し心配らしい。
そう、あの人は見た目がガタイの良い優しい爺なのだ。
だから、初見だとここに似つかわしくないと思ってしまう。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
大丈夫ですよ、裏社会アンダーグランドで二十年間店だしてるんですから。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
酒屋って儲かるんですって自慢してきたくらいですしね。
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
余程神経が図太いんすね……。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
それはそうだと思います。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
迷惑な客には容赦なくガン飛ばしますから。
その場に居合わせれば納得の怖さなのだ。
その眼力といったら、どんな893も蛇に睨まれた蛙の様になる程。
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
つよ……。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
銃くらいは携帯してるでしょうしね。
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
あぁ、多分足元に仕込んでましたね。
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
歩き方誤魔化しきれてなかったし。
僕には判らなかったが、MENさんは見抜いたらしい。
それは流石に危ないだろう。
MENさんは観察眼が鋭いのもあるが、念には念を入れないと。
いい酒屋が潰れるのはこっちだって嫌だ。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
それは今度アドバイスしてあげてください…w
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
……命に関わるので。
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
そうっすね、次行った時にでも。
一度、会話が途切れる。
二人共、真剣に具材を切っているからだ。
MENさんも丁寧に玉ねぎを刻んでいて、涙を堪えている。
静かなのもそれが理由かもしれない。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
……この肉、どれくらいの大きさに切ります?
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おんりーとか口ちっちゃいんで小さめでww
相変わらず玉ねぎを睨みながら軽口を叩く。
目線の真剣さと声色が全く違って面白い。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
あれ、本人に密告しますよ?
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
嘘っす嘘っす!四センチ角くらいで…w
おんりーさんはケーキをよく買ってきてくれる。
だから、本人を怒らせた人は許して貰えるまでケーキの類を食べることが出来ない。
おらふくんは恋人故、よく怒らせているが。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
フフッ、了解です。
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
……あ。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
どうしました?
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おんおらから今から帰るってメール来ました。あと材料を買って帰るからインサラータ・カプレーゼを作ってほしいと。
あの二人はカプレーゼが大好物だ。
ワインを用意すると大抵帰りがけに材料を買ってくるくらい。
バジルは材料に含まれない事が多いが。
因みにMENさんは謎の拘りでカプレーゼを正式名称で呼んでいる。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
ワインにぴったりですもんね!
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
切るだけで出来るし僕がやりますよ。
僕とドズルさんはバジルが好きなので、僕はバジルをこっそり常備している。
MENさんが作るとバジルは抜かれてしまうが、僕が作るときはバジルをちゃんと(?)入れる。
そして僕は今日バジル入りのカプレーゼが食べたい。
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
ん〜……それじゃもう一品作りますよ、俺。
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
……そうだな……ポテトサラダとか。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
本当ですか!?
MENさんが作るポテトサラダは絶品で、ドズル社メンバー全員の好物だ。
だからそれ自体は嬉しい。……のだが。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
あ、でも労力の差が……。
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
いや、俺が食べたいんすよね。
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
だから逆に職権濫用??
明らかに作る料理の難易度が違う。
しかも歳下のMENさんに多分気を遣われてしまった。
これは素直に頼もう。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
……ありがとうございます!
ふと思い出して鍋を覗くが変化が判らない。
ビーフシチューはやはり料理にわかには難しいと思う。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
あの、そういえばこれシチューはあとどれくらい煮込みます?
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
え〜っと……あと三十分くらいっすかね。
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
だけど人参と牛肉がもう柔らかくなってたら十分で大丈夫っす。
流石の知識だ。
目測で煮込み時間を計算だなんて僕には出来そうにない。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
成る程……お、牛肉は良さそう!
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
……あ、でも人参はまだかも……。
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
じゃあそっち任せて良いっすか?
おおはらMEN【ヤクシソウ】
おおはらMEN【ヤクシソウ】
ポテトサラダの下ごしらえしたいんすけど…。
作るポテトサラダは下ごしらえが必要なんだった。
すっかり忘れて頼ってしまっていた事に気づき慌てる。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
あ、勿論!ビーフシチューは任せて下さい!
不安は残るが、あと少し余計な事をしなければ完成する。
メインメニューだけに、失敗しないといいが。
ねこおじ【スイレン】
ねこおじ【スイレン】
……僕は料理がとことん下手だからなぁ……。
主/菊花蕪(きっかかぶ)
主/菊花蕪(きっかかぶ)
ありがとうございました!
主/菊花蕪(きっかかぶ)
主/菊花蕪(きっかかぶ)
今回内容すっからかんなのに馬鹿みたいに長くなっちゃいました!
主/菊花蕪(きっかかぶ)
主/菊花蕪(きっかかぶ)
いつもの約4倍ですね!()
主/菊花蕪(きっかかぶ)
主/菊花蕪(きっかかぶ)
そしてほのぼの……。
主/菊花蕪(きっかかぶ)
主/菊花蕪(きっかかぶ)
この二人はシリアスなシチュエーションがほとんど思い浮かばないんですよね……。
主/菊花蕪(きっかかぶ)
主/菊花蕪(きっかかぶ)
ずっと外に出ないで駄弁ってるから……。
主/菊花蕪(きっかかぶ)
主/菊花蕪(きっかかぶ)
まぁ必然ですよね〜!
 
主/菊花蕪(きっかかぶ)
主/菊花蕪(きっかかぶ)
おつかぶ!
     因みに私は地震の被害受けてません!無事です!

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