えー!でも心配だしね?
どうせ、俺らもタクシーで帰るから乗っていったらいいだろ。先にあなたの家に行ってもらえばいいだけだし
どうしよう、前の家まで送って貰っても結局マンションの方に戻らないと行けなくなるし……
なんて答えようと悩んでると、私のスマホが鳴って画面を見れば、樹くんからだった。
隣にいた風磨くんはそれを見えたのか、ん?って声を出す。
タイミング悪すぎる!!なんで今!?
樹からじゃん、出ないの?
あー、うん……
あ、貸して!俺が出る
どんな反応するか試してみようぜ(笑)
あ、ちょっ!
酔っているせいか、悪戯心を出して私のスマホを取り、スピーカーにして風磨くんが通話のボタンを押す。
『もしもしあなた?お前、今どこいんの?マンションに居ねーの?』
マンション、という言葉を出した樹くんに私はああ、もうバレると項垂れる
マンション?え、なにもしかしてあなたと樹、そういう関係!?
え?でも樹、メンバーと住んでるんでしょ?
あ、いや、あの…
『は?え?なに、誰かといるの?』
風磨ですけど〜!!あれ、樹さんとあなたってあれ??
ぜっっっったい酔ってる。この人、絶対酔ってる。
おちょくりだしたよ、やばいよ。
どうするよ??
『…待って、今あなた、風磨といんの?』
うん、セクゾのみんなとご飯食べてたんだけど先に3人帰って今は風磨くんと健人くんといるの
『まじか…つか風磨酔ってるだろ』
少し?
え、てかどういうことよ!マンションに居ねーの?ってどういうこと?
そーだそーだ!ちゃんと説明しろ!
ふまけんの2人が騒ぎ出して慌てて大人しくさせようと止めるけど酔ってる2人は止まらない。
『どこの店?めんどくせーから俺も行く。その時に説明するから待って』
結局、会って話す方が早いと樹くんがお店まで来ることになった。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!