私が誘拐されてから今日で1週間。
いつもニュースを見るたび、怖くなる。
もしかしたら警察に見つかるんじゃないかなって。
もちろん、お兄さんを心配してるわけじゃないけど。
_______ 泣くわけない。
1人なんて慣れてる。
だけど物音がしないのも嫌だからテレビをつけると
そこにはあの”忌々しい顔”が映っていた。
同情を誘うようにカメラの前で泣き崩れる2人。
だけど、私にはわかる。
これは演技だって。。
ストレス発散できるサンドバックが
居なくなって困ってるだけでしょ。
私のことなんて何も考えてない。
その瞬間、テレビに映った”あるもの”を
私は見逃さなかった。
”전정국”
兄の名前が書かれた赤色のハサミ。
兄が幼稚園の時に使っていた、そのハサミが
私にあの日のことを思い出させた。
震えが止まらない。
息ってどうやってするんだっけ?
体ってどうやったら動くんだっけ?
声ってどうやって出すんだっけ??
”誰か助けて_______”
瞼がどんどん下がっていく間、頭に浮かんだのは
お兄さんだった。
なんで今この事を思い出すんだろ、、
なんであのハサミの存在に気づいちゃったんだろ、、
気づくと目の前に彫刻のような綺麗な顔がある。
息が苦しくなるくらい私を抱きしめる彼。
彼の声はとても震えていた。
もしかして…
今まで誰かに心配されたことなんてなかった。
私の為に泣いてくれる人も。
だから、どうしたらいいかわからなかった。
立ち上がった瞬間、
真剣な顔をした彼に腕を掴まれた。
いつもの人懐っこい態度とは違って
真っ直ぐ私を見つめてくる。
その茶色い瞳で心の中までも。
その時、ふと鏡に映った私は
とても醜くて、汚かった。
こんなんじゃまた嫌われちゃう。
また捨てられる_______
捨てられたくない。。
でも、、
仕事の話する時とても楽しそうにしてたよね。
平然とした顔でそんなことを言うお兄さん。
到底理解できなかった。
私なんかのためになんでそこまでするの?
私なんかをなんでそんなに好きなの?
この男がどこまで私を好きなのか気になった。
そしてどんな私でもホントに愛してくれるのか
試したかった。
急に服を脱ぎ始める私を見て
顔を真っ赤にして慌てる彼。
あざだらけで痩せこけた体。
これを見てもまだ私を愛してるって言える?
そしてまるで宝物を扱うかのように
私の体をバスタオルで優しく包んだ。
私が綺麗??
そんなわけない。
でもお兄さんの顔は嘘をついてるように見えなくて…
あ、この人はホントに私のことが好きなんだ。
誰にも理解されなかったとしても
誰か1人味方でいてくれたらそれでいいんだ。
だけど、幸せは長くは続かない_______
◇
”お姫様、やめます”について質問です!
アンケート
誰目線の話が一番面白いですか?
ツウィ
65%
ジョングク
12%
サナ
22%
投票数: 220票














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!