第10話

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2025/01/01 19:32 更新
朔間 零
朔間 零
お〜い。あなた、起きろ


音を立てて棺桶の蓋が開いた




目の前に赤い瞳が写って




蓋を開けたのが兄さんだと理解した



朔間 (なまえ)
朔間 あなた
おはよう、兄さん…。ん〜、時間的にもうお昼かえ?


ぼんやりする頭でスマホの電源を入れると




ロック画面には『13:05』と表示されていた




棺桶から体を起こそうとすると




兄さんは軽く笑い体を起こすのを手伝ってくれた




目の前を見るとワンコと二つの同じ顔が




確か軽音部の子だった気が…



朔間 (なまえ)
朔間 あなた
おぉ…ワンコか、それと…葵くん?じゃったっけ?
葵 ゆうた
葵 ゆうた
あの〜、すみません…誰ですか?


水色のピンをしてる方の子が首を傾げながら兄さんの方を向いた




確か弟の方だった気がする




自己紹介しようとその子の方を向くと




兄さんが私の隣に座って




私の頭に手を置いた


朔間 零
朔間 零
まだ紹介してなかったな。俺様の可愛い可愛い自慢の弟だ



優しく私の頭を撫でた




意識に強ばっていた力が抜けて自然と笑顔になる



朔間 (なまえ)
朔間 あなた
…朔間あなたじゃ。よろしく頼むぞい♪


二人は納得したように頷いた


葵 ひなた
葵 ひなた
朔間先輩の弟さんか〜!確かにそっくりですもんね〜
葵 ひなた
葵 ひなた
あっ俺、葵ひなたです!
葵 ゆうた
葵 ゆうた
俺は葵ゆうたです!


軽く手を振る二人の頭を少し引き寄せた




最初はびっくりした顔をしたが




少し撫でると気恥しそうに笑った




その笑顔が小さい頃の凛月と重なって見えた


朔間 零
朔間 零
…んじゃ、放課後。転校生をここに連れてくれってことでいいか?


一通り撫で終わると兄さんが聞いてきた


朔間 (なまえ)
朔間 あなた
...うむ。ひなたくんにゆうたくん、お願いできるかえ?
葵 ひなた
葵 ひなた
もちろんです!
葵 ゆうた
葵 ゆうた
俺たちに任せてください!


元気に返事をした双子はそのまま部室から飛び出して行った

大神 晃牙
大神 晃牙
……おい、吸血鬼ヤロ〜



今まで一言も発していなかったワンコが




不機嫌そうな顔でこっちをずっと見ていた


朔間 (なまえ)
朔間 あなた
どうしたのかえ?ワンコや、腹でもすいたのかえ?


ちょっとおちょくるように言うと




いつものように今でも噛みついてきそうに怒鳴ってくるかと思えば

大神 晃牙
大神 晃牙
だぁあ!俺は犬じゃねぇ!狼だ!


と叫ぶとすぐに大人しくなった




軽く溜息を吐き、頭をかきながら




ワンコは立ち上がって私から目線を逸らした


大神 晃牙
大神 晃牙
…吸血鬼ヤロ〜が何してぇのか俺にはわかんねぇけど
大神 晃牙
大神 晃牙
あんま老人が頑張りすぎんなよ。あん時みたいにぶっ倒れたらただじゃおかね〜からな!


恥ずかしかったのかワンコはそれだけ言うと




逃げるように部室から出ていった


朔間 (なまえ)
朔間 あなた
クックック…ワンコはいい子じゃのう


ずっと黙っていた兄さんは少し悲しそうな笑顔をしていた




兄さんの方を向けば




兄さんは少し乱暴に私の頭を撫でた


朔間 (なまえ)
朔間 あなた
……?


不思議そうに兄さんを見れば




兄さんは優しく笑った

朔間 零
朔間 零
…放課後になったら起こしてやるから、それまで寝ててい〜ぞ


テンポよく頭を撫でられ




急な眠気が襲ってきた




その眠気に身を委ねて




そのまま意識を手放した

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