実家の裏山山頂。ふわりと飛んで着地した小高い岩場は、通っている中学校を含めた田舎の市街地を一望できるポイントだ。
夜風が前髪を掻き上げて、木立をざぁぁっと撫でていく。
眼下のむこうの街のうえにはぽかりと満月。
ふう、と目を閉じる。
見慣れた市街地の夜景から、まぶたの奥の暗闇へ。
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カチリ
と、自分が握りしめる銃口に、軽いものが当たる感触。
そのスーツ胸元には、国際警察の英字。
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肌をすべり木立を揺らす風音。
目を開けると、疎らな明かりを灯す田舎の市街地が遠くにみえる。
生々しい現実味を帯びたあの景色は……















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!