なんでそのあだ名を…
言おうとしたが、その時にはもうあいつは教室から出ていった。
「かっちゃん」って言っている時の声だけ、さっきまでの能天気な声じゃなかった。
落ち着いていて、トーンが少し暗い。
あなたが親に捨てられてからの声に似ていた。
表情もだ。一瞬見せたあの悲しそうな表情はあなたそのものだった。
もしかしたら、あなたは生きていたのか…?
…そんなムシのいい話あるわけねぇか
あの日あの夜あの山で、緑谷あなたはもうこの世にいないっていう現実はとっくの昔に受け止めてンだわ
今更しれっと現れたとしても、俺の中での緑谷あなたはとっくに死んでいる。
ただ、能天気で元気な3、4歳の頃のあなたにはお前にそっくりだよ、相澤あなた。
俺は、廊下に出てあいつの背中をじっと見つめる。
俺が間違えるはずがねぇ。あいつ…相澤あなたは緑谷あなただ。
性格はガラッと変わったが、面影がすごい感じる。
あなたはそれで隠してるんだろうが、バレバレだ。
なんで隠す必要があるんだよ…
今昔関係なく、俺はお前に用があるんだ。
俺を頼ってくれよ、あなた。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。