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あのー…本当に良いんでしょうか、宿なんて用意して貰っちゃって…
良いです良いです。
どうせこの建物も長いこと使われていませんしね。少々掃除は必要ですが。
グリムの入ったケージを抱え、先程まで居た鏡の間を後にした私達は学園の外に出た。
ほんの少し歩いて行くと、雲行き怪しい空の下に建物の影が見える。
それはお世辞にも綺麗とは言えず、かなり築年数も経っているようだ。
(良く言えば『趣がある』、悪く言えば…)
何だこれ。超ボロいんだゾ!
あははは…
おい、学園長!オレ様達をこんな所に置くつもりか?!
嫌ですねぇ、知らないんですか?
外構や外壁は風化しやすいんですよ。
確かに無人だと建物の風化は早く、あっという間に駄目になってしまうと聞いた事がある。
そうだよ、グリム。中はそこまでダメージを受けていないかも。
いいや、絶対ボロいんだゾ。
『ギギギ…』
木材の軋む音と共に学園長が玄関のドアを開けると、中の様子がゆっくりと姿を現した。
こっちです。
学園長の案内で連れて来られた場所は、
玄関を過ぎてすぐにある部屋。
ここが確か談話室です。
椅子や机はひっくり返り、額縁の絵は傾いてるならまだしも床に落ちている。
レンガで組み上げられた暖炉、部屋の片隅や天井の4つの角には大きな蜘蛛の巣が張られていた。
暖炉上の大きな一枚鏡や窓ガラスもすっかり埃に覆われて、曇っている。
あちこちに埃が溜まり、
窓ガラスから取り込まれた月光によって、舞う埃が雪のように煌めいていた。
ほぉーら、オレ様が言った通りボロかったんだゾ。
相当…使ってないんですね、あはは。
これは酷すぎるんだゾ。
まさかここまで酷いとは、私も思いませんでした。どうしましょう?
こ、こんな所に住むなんて御免なんだゾ!
貴方はさておき、あなたさんが心配ですねぇ。ハウスダストが駄目なら考え直さなければ…
いえ!私は大丈夫です。それに片付けやお掃除さえすれば何とかなると思うので。
そうですか?
何なら学園長室をお借ししますけど?
オレ様はそっちの方が良いんだゾ。
貴方ではなく、あなたさんに聞いているんです!
ふな"っ?!
それに私が出す条件というのは、あなたさんとグリムさんが揃う、一緒に居る事が前提ですから。
え?
・
・
・
良いですか?決して外を出歩かないように。
グリムさんはまだしも、あなたさんは今日騒ぎになった " 女性 " なんですからね!
は、はい…
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!