第22話

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2025/08/04 08:00 更新










ざわめく水面に、時おり笑い声が跳ねる。
明るい陽射しの下、数人の男女たちが
それぞれ泳いだり、プールサイドでくつろいでいた。



きんとき
……あれ?




タオルで汗を拭っていたきんときが、
ふと首をかしげた。

さっきまで一緒に泳いでたはずのなかむが、いない。



きんとき
どこいったんだ……?




きんときの声に反応して、
近くにいたユリィが顔を上げた。



ユリィ
ユリィ
えっ、うそ。
ユリィ
ユリィ
さっきまでいたじゃん。
浮き輪でぷかぷかしてたじゃん。
 
きんとき
ふん、ぷかぷかしてた。
してたんだけど……




ユリィがプールの中をぐるりと見渡す。



ユリィ
ユリィ
シノカは?あの子、
なかむさんの護衛でしょ。
 
きんとき
……見てない。




その瞬間、ユリィの目が鋭くなった。
浮かれていた空気が、急に張り詰める。



ユリィ
ユリィ
皆、集めて。
ユリィ
ユリィ
なかむさんがいないだけでも
一大事なのに、シノカまで……
 
きんとき
わかってる、すぐ動く。




きんときの声には、わずかに震えがあった。



















室内に緊張が漂う。
シノカとなかむの行方不明。事態は急を要していた。



カノン
カノン
なかむさんとシノカ君の捜索に2人、
あとはここに残って護衛を続ける。
 
シャークん
全員でいかないのかよ!
 
きりやん
俺らだって、なかむが心配で…。
 
カノン
カノン
君達は命を狙われてるんだ。
カノン
カノン
スーパーでの事もあったし、
戦いの場に連れて行くわけにはいかない。
 
ルト
ルト
もしかしたらひょっこり
帰ってくるかもしれないし…
ルト
ルト
シノカは、知らんけど。
 
カノン
カノン
私は従業員に頼んで、
監視カメラの確認をしてもらうよ。




レイ
レイ
僕に行かせてください。
 
ユリィ
ユリィ
……自分もいきます。




2人が真剣な眼差しで言い放つ。
カノンは一瞬驚いたように目を見開くが、
すぐに笑顔を作って頷いた。



カノン
カノン
わかった、そっちは任せたよ。




















プールの喧騒が遠のいていく。

ユリィはスマホを睨んだ。
GPSの反応は微弱だが、確かにそこにある。



ユリィ
ユリィ
この辺り……施設の管理エリア?




レイが隣で息を整えながら呟く。



レイ
レイ
GPSの信号、地上じゃない。
地下にひっかかってる。




端末を見つめながら、レイが足を止めた。
舗装された廊下の突き当たりには、
「関係者以外立入禁止」の立て札と、半分開いた鉄扉。
冷たい風が、地下から吹き上げてきている。



レイ
レイ
やっぱり、この先かもしれない。




レイが振り返ると、
背後のユリィはすでに長巻を手にしていた。

金属の柄に細工された護符が、
かすかに光を放っている。



ユリィ
ユリィ
じゃ…行こうか。




ふたりはアイコンタクトを交わし、
鉄扉の奥へと進み出す。

足元はコンクリの階段。地下へと続く道は、
湿気と古びた鉄の匂いに満ちていた。
照明は少なく、天井に並ぶ蛍光灯もちらちらと明滅している。



レイ
レイ
……静かすぎる。
 
ユリィ
ユリィ
何人か従業員がいても、
おかしくないはずなのに。
ユリィ
ユリィ
警戒してこ。




ひたり、ひたりと、足音だけが反響する。

また、蛍光灯がちらちらと明滅した。









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