静かな修練場に一粒、また一粒と汗が滴り落ちる。もう何時間剣を振ったかすら分からない。
それからも、何度も何度も剣を振るう。もっと速く、もっと正確に…‥
弔兄は珍しく心配した顔つきで、こちらへと手を伸ばしてくる。だが少しの時間も今は惜しい。2人に近づくために、今は無理をする必要がある。
激しい頭痛が頭に走り、私は床に倒れ込む。なんだろう、頭が痛いしぼーっとする。あれ、今何してたんだっけ…‥
目を覚ますとそこは見慣れた自分の部屋の天井だった。
泣きじゃくりながら緋桜が飛び付いてきた、…‥どうしたっていうんだ。
はじめからこうなると弔兄は分かっていたんだ。だから私を心配して声をかけてくれたというのに、私は…‥
弔兄が頭をこっちに向けてきたと思ったら、おでこにコツンと弔兄の頭を当ててきた。
近い近い近い!!心臓バクバクで頭も痛くて、なんかふわふわして訳わからん。
そんなことを言われたが
弔兄はお仕事がまだあるみたいだから、後は緋桜に任せて行って下さいとお願いした。私のせいで弔兄の時間を奪っちゃだめだからね。
薬なんて初めて飲むな…‥、孤児院にいたときはこんなもの貰えなかったし。…‥結構苦い。
そんなことを考えていたら突然、ドアが大きな音を立てて開かれた。
桐馬兄が心配そうにこちらへ駆け寄ってくる。
いつも冷静な桐馬兄があんなに取り乱すなんて。でもちょっとうれしいなぁ。
緋桜が部屋を出ていくと同時に私は意識を手放した。

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!