❲ No.1201の収監室 ❳ < あなたの下の名前 視点 >
やっぱり言った方が良いよね と、
本人は聞こえてないと思っているのだろうけど
小声の独り言でも中々に声が大きい為、
こちらにもはっきり聞こえている。
この施設にあるシステムの一つ “ 面会 ” 。
監視対象両方の合意と監視員上層部からの許可を得て
彼らは面会をする事が出来ると言うものだ。
そして彼らに割り振られている
危険レベルはこの面会システムにも関わってくる。
しゅんっ と子犬の様に落ち込むNo.1201には悪いが、
こればっかりは下層部の職員である私には
どうしようも出来ないのだ。
永遠に位の上がらない下層部職員なんかに
この組織が目を向けるワケが無いのだ。
意外と普通の声に出したつもりだったのだが
彼には聞こえていなかったらしいくて、
頭の中をはてなマークで埋め尽くしている事だろう。
まあこの面会申請が通ったら喜ぶのは、
私やNo.0226よりも絶対に彼なのだろうから。
よっこいしょっ なんて老人みたいな事を言って
立ち上がり彼の方へと向き直りきってから
彼に一言告げた。
彼は控えめに手を振ってくれた。
その彼に背を向けて、私はNo.1201の収監室のを出た。
❲ 廊下 ❳ < あなたの下の名前 視点 >
人っ子ひとり、職員ひとりすら見当たらない様な
まっさらで何も無い廊下をただただ無言で
真っ直ぐ歩いて行く。
陽の光どころか、空の色さえも分からない様な
この施設は何も見える事の無い、空白の空間だった。
私の担当のGreenレベルは2人だけで、
No.1201の所には先程向かったので後1人だけだ。
手土産と言っては何だが、
可愛らしい液体の入った小さな小瓶を
そっと腰につけたバッグの中々に仕舞って、
もう一人のGreenレベルの奴の方へと向かった。
監視員の1日はまだまだ長いのである。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。