第5話

5.
93
2024/06/21 16:00
I.N SIDE





他愛無い会話、というのが思いつかなくて、




しばらく沈黙が流れた。




車に乗ってから、なんとなく気まずくて、




マネヒョンが僕らの曲を爆音で流し始めたんだけど、




今までの曲は全部ウジナヒョンのパートが絶対あるわけで。




『MIROH』のウジナヒョンのパートでぴくっとあなたの肩が跳ねた。




ミラー越しにそれに気づいた、助手席のチャンビニヒョンがプレイヤーの音を消す。
Chang Bin
ヒョン、今じゃない。絶対。
MANAGER
うん、ごめん。
Chang Bin
あ、あなた。練習生期間はどれくらいなの?


これ以上あなたに曲を聴かせたくなかったのか、




この空気感が耐え切れなかったのか、チャンビニヒョンが口を開く。
あなた
二年ですかね、、?
その言葉に一同は驚愕。




ハニヒョンなんかは『えぇ?!』と大きな声を出している。
あなた
やっぱ短いから未熟ですよね、すみません。
I.N
いや、二年でデビューなんて凄いと思うよ!


自分で言うのも何だが、珍しく僕も興奮気味に声を荒げる。
Chang Bin
そうかー、二年でデビューなんて中々居ないと思うよ。
しかもナムジャドルとデビューなんて、
代表もあなたを高く評価してるんだと思う。
Bang Chan
うんうん、しかも、今年で三年目だから
まだ恋愛も禁止な訳かー。
Chang Bin
ちょっとチャニヒョーン??
狙ってるんですかー?
あなたはまだ未成年ですよー?
I.N
そうだそうだー!
Han
犯罪になりますよ!ヒョン!
時折、こんなパワーワードを笑顔で放つヒョンが怖い。




だが、そんなハニヒョンが面白かったのか、





あなたは少しだけ、口角を上げた。




多分それに気づいたのは僕しか居ないと思う。




そんなあなたの第一笑顔は、僕の心のフォトフォルダに仕舞われた。

プリ小説オーディオドラマ