Attention!
あなたちゃんの厨二設定を解禁しました。今回も文字数多いです。許せ。何か若干シリアスです。めんご。
シュボッ。
その日、あなたは万事屋の玄関の柵にもたれ掛かりながら煙草を燻らせていた。
あなたは正面の道を見ており、咥え煙草でぼんやりしている。
少しの間面倒そうに前だけ見ていたが、はぁっとため息をついた。
それからポケットに手を突っ込み、紙きれを1枚出した。
短くて雑な字ではあるが、どことない圧が感じられる。
ちなみに現在時刻、午前9時。
俺、元攘夷志士なんだけど。
私、あなたの名字あなたと新選組の付き合いはかなり長くなる。
元を辿ると此奴らが武州に居た時に知り合った。
まだその時は勲君の剣術道場の門下生として入り浸っていた程度だ。
まぁ……攘夷戦争に巻き込まれて後の新選組と一緒に上京するのは叶わなかった。
が、ちょっと厄介なことになったのだ。
私は江戸に来て直ぐに万事屋に転がり込み、適当に過ごしていたのだけど。
街でばったり総悟に会い、団子屋に2人並んで座って色々喋っていた。
そして拙いことになる。
総悟は隊服のポケットからマヨネーズの形のライターを取り出した。
空になった2人の湯呑を自分の所に引き寄せて、片方にライターを入れる。
その2つの湯飲みをひっくり返して、驚くほどの速さでシャッフルする。
私はゆっくり右の湯呑を指さす。
総悟がニヤリと笑った。それから湯呑をゆっくり持ち上げる。
湯呑は空だった。
総悟がにこやかに笑いかける。私は重い口を開いた。
それから総悟にバラすと脅され、言う事聞くからと懇願し、じゃあ新選組に入れと言われ、久しぶりに十四郎と勲君に会って、今に至る。
だが、何故か上層部の2人には私が攘夷志士であったことが思い切り露見しているため、仕方なしに新選 組に居るような形になっている。
まぁでも、何だかんだ旧知の仲だから楽しく過ごしては居る。
新選組・零番隊隊長、あなたの名字あなた。
零番隊というのは唯一の女性隊士であるあなたが動きやすいように作られた隊だ。
よって隊員はあなた1人しかいない。
あなたは医師免許を持っているため、零番隊は怪我人を処置する救護班として重宝されている。
ちなみに、一応あなたは男という事で通されている。
ほぼ全員女だって分かってるけど。
現在時刻7時18分。
バイクをかっ飛ばして密会場所に着いた。が、しかし。
入り口には屈強な男たちが大量に居座っている。あなたは刀を握りしめると呟いた。
その呟きを合図に、あなたの手の甲に人の口が現れた。
あなたの体には天人が巣食っている。
寄生型の天人で、名前を白夜と言う。
この白夜の種族は戦闘能力が高いが、他の生物に寄生しなければ生きることができない。
寄生されると怪我に対する防御力と瞬発的な体力が格段に飛躍する。が、己の体の中にもう1つの人間を宿すことになるため、大概の宿主は正気を失う。
白夜の声であなたは門扉に飛び込んだ。
ザクッ バシュッ
一気に2人斬り殺す。
だが、あなたは白夜と上手く共存している。
これが意味するのは恐ろしいことだ。
浪士たちは一瞬ひるんだ顔をしたが、一斉にあなたに切りかかる。
白夜の完璧なアシストにあなたは顔色一つ変えずに動く。
あなたの白い肌に浪士たちの返り血がついていく。
シュッ ザクッ
奇襲によってあなたは腕を切られる。一気に嫌そうな顔をした。
ビシャッ
腕に気を取られていたあなたの背中に敵の刃が触れる。
気づけば周りを敵に囲まれていた。
浪士どもがヘラヘラと笑いながら何か話している。
痛い。腕と背中が猛烈に。
痛いのは嫌いだ。痛みを理由にして動けないのはもっと嫌いだが。
グサッ
あなたの刀は自分で自分の脇腹を貫いていた。羽織に血が滲み、袴に垂れる。
分散していた痛みを一か所に集中させ、それだけを感じる。という戦法なのだが、あなたの真意は知れない。
浪士たちは明らかに変わったあなたの雰囲気にどよめき、刀を構え直す。
あなたは刀を脇腹から引き抜き、低く構えた。
新選組が到着した時、そこには。
斬られた浪士たちの山と、頭から返り血を被ったあなたが居た。
屈託ない笑顔で手を振るあなたの姿は「修羅」そのものだった。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。