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空模様仕立て屋の菜名子さん 泣き雲は笑って縫えません!

- ファンタジー
- オリジナル
人の感情が頭上の「個人空」として天気になる日縫い谷。十七歳の菜名子は、泣けない新人の空模様仕立て屋だ。
組合の採用実技で代表の隠された恐怖まで縫おうとして雲鳩を百羽も飛び出させた菜名子は、谷外れの「つぎはぎ支店」へ配属される。そこで出会ったのは、時間に厳しい恵叶、口は荒いが動物思いの遊太、誰にでも距離が近い責任者・侑心。
菜名子たちは、寂しさから暴走する小太陽、高評価を求める砂糖雪、恐怖を怒鳴る雷羊など、晴れにするだけでは直らない空を、本当の気持ちごと縫い直していく。
だが谷では、「晴れているほど良い」という価値観のため、悲しみや怒りが長年捨てられていた。その感情は地下で巨大な「透明嵐」となり、晴天祭の日、ついに谷全体をのみ込み始める。
しかも嵐の核に眠っていたのは、十年前に母を亡くした幼い菜名子自身が切り捨てた雨雲だった。
母が大好きだった。誇りにも思っている。
それでも――置いていかれたことが、ずっと悲しくて、腹立たしかった。
泣くことも怒ることも間違いではない。
菜名子は仲間と谷の住民たちとともに、捨ててきた本音を一人ずつ自分の空へ取り戻していく。
組合の採用実技で代表の隠された恐怖まで縫おうとして雲鳩を百羽も飛び出させた菜名子は、谷外れの「つぎはぎ支店」へ配属される。そこで出会ったのは、時間に厳しい恵叶、口は荒いが動物思いの遊太、誰にでも距離が近い責任者・侑心。
菜名子たちは、寂しさから暴走する小太陽、高評価を求める砂糖雪、恐怖を怒鳴る雷羊など、晴れにするだけでは直らない空を、本当の気持ちごと縫い直していく。
だが谷では、「晴れているほど良い」という価値観のため、悲しみや怒りが長年捨てられていた。その感情は地下で巨大な「透明嵐」となり、晴天祭の日、ついに谷全体をのみ込み始める。
しかも嵐の核に眠っていたのは、十年前に母を亡くした幼い菜名子自身が切り捨てた雨雲だった。
母が大好きだった。誇りにも思っている。
それでも――置いていかれたことが、ずっと悲しくて、腹立たしかった。
泣くことも怒ることも間違いではない。
菜名子は仲間と谷の住民たちとともに、捨ててきた本音を一人ずつ自分の空へ取り戻していく。
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26,967文字
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