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第63話

第47話
356
2026/03/18 14:01 更新



放課後。

実行委員の作業スペース。

段ボール、布、資料が広がる中。


Kanade
あなた、そのリボンこっちで結んでくれる?
あなた
え、こう?
Kanade
天才すぎ



自然な会話。

数日前まで考えられなかった距離。


あなた
(元カノと普通に話してる…)
Kanade
なにそのかおーー
あなた
え!?
Kanade
まだ慣れてないでしょ
あなた
……ちょっとだけ



奏がくすっと笑う。


Kanade
正直でいいじゃん



手を動かしながら、さらっと言う。


Kanade
でもさ、私あなたといる方が楽
あなた
え?
Kanade
無理してない感じする



あなたの手が止まる。


Kanade
ライと居る時もそういう顔してる
Kanade
だから選ばれたんだろうなって思う



胸がじんわり熱くなる。

その時。


mob.
伊波くーん



他クラスの女子の声。


振り向くと、

ライが呼び止められている。


mob.
ちょっとこれ教えてほしくて!



距離が近い。

自然に笑って対応している。

あなたの手が、少し止まる。


Kanade
……ほら
あなた
え?
Kanade
そういう顔
Kanade
嫉妬してるでしょ
あなた
してないっ!
Kanade
してるじゃーん
あなた
……ちょっとだけ



小さく認める。

奏がふっと笑う。


Kanade
かわいい
あなた
かわいくない
Kanade
大丈夫だって



さらっと言う。


Kanade
ライ、ああいうの全部仕事だから
Kanade
好きな子に対する態度、全然違うよ



あなたはそっとライを見る。

ちょうど目が合う。


inm
あなた



呼ばれる。

一瞬でこっちに来る。


inm
これ、どうするんだっけ



さっきまでの距離感と違う。

近い。

自然に頼ってくる。


あなた
えっと……ここをこうして、
inm
お、助かる



軽く笑う。


その距離の近さに、

周りが少しざわつく。


奏が小さく笑った。


Kanade
ね?



あなたは何も言えなかったけど。


さっきより、

少しだけ自信が持てた。


――その時。


mob.
ねえ、コンテストの代表どうする?



誰かの声。

空気が変わる。


mob.
美少女コンテスト、
A組まだ決まってないよね?
mob.
奏出れば良くない?
mob.
確定で優勝じゃん
Kanade
やらない
mob.
えーなんで!
mob.
絶対盛り上がるのに!
Kanade
興味無い



あっさり。

その時。

別の声。


mob.
じゃあさ、夢羽でよくない?



一瞬、時間が止まる。


あなた
え?
mob.
最近よく伊波と一緒にいるし
mob.
普通に可愛いし
mob.
バランスいいじゃん
あなた
む、無理
Kanade
無理じゃないでしょ
あなた
え!?



まさかの援護。

奏がにやっと笑う。


Kanade
面白そうじゃん
あなた
面白そうで決めないで!?
mob.
いいじゃんいいじゃん!
mob.
決定でしょ!
inm
ちょっと待って
inm
本人が嫌って言ってるだろ
inm
無理すんなよ



優しい声。

でも。

さっきの言葉がよぎる。

――自信持ちなよ

あなたが小さく言う。


Kanade
逃げるの〜?
あなた
……っ



あなたは一瞬だけ目を閉じて。


あなた
……やる



空気が一気に弾ける。


mob.
きたーー!!
mob.
A組勝った!!
inm
……まじ?



あなたを見る。

驚いた顔。

でも。

そのあと、少しだけ笑った。


inm
じゃあ俺も本気出すわ



低い声。

ざわっとする周り。

奏が満足そうに笑う。


Kanade
面白くなってきた〜!



文化祭は、

ただのイベントじゃ終わらない。


ここから、

本番が始まる。
































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