グラウンド
昼休み終了5分前、私は授業をサボるため、任務に行く。
先輩方との話を切り上げ、車に乗り込んだ。
今日は高専からさほど離れていない場所での任務だ。
近くに豆大福が名物のお店があるらしい。
数分後
車から降りる。
気配からして、一番強いのが特級みたいだ。
任務場所は古びたアパート。
カツカツとコンクリートの床に靴底があたる音が響き渡る。
呪霊はわざわざ一部屋一匹いるみたいだ。
バンッと最初の部屋のドアを開ける。
三級だし、小さかったので、足で踏み潰す。
二つ目の部屋には、二級程度のヒョロヒョロした細長い呪霊がいた。
と、考えながら手でボキッと折る。
三つ目の部屋には羽虫みたいな四級以下の呪霊がたくさんいた。
呪力を広範囲にぶつけて一掃する。
一階が終わったので、二階へ向かう。
四つめの部屋には首を吊られた呪霊がいた。
呪霊よりも怨霊に近い感じだった。
不思議に思いながら、核とみられる縄を呪具で切ると、呪霊はほっとしたように笑って消えていった。
縄を見ると、強い呪いがこもっていた。
ふと、その呪霊が哀れに思えて、手を合わせた。
五つめの部屋に行く。
こいつは普通の一級呪霊だった。
さっさと祓って、特級のいる最後の部屋に向かう。
爆散させた呪力を空間転移で呪霊の頭に当てる。
一瞬にして呪霊が塵になって消えていった。
豆大福を買い、上機嫌で渋谷の街を歩く。
渋谷のネオンの光が私を照らす。
たくさんの人が入り混じる交差点で、ふと足を止めて、上を見上げた。
街の光に負けて、星の見えない夜空に、高いビルが伸びていく。
周りを見回すと、家路を急ぐ人、それを迎えにきた人、家族と一緒に帰る人、家族に見送られ、これから出勤する人がいて、
私も師匠や先輩方に会いたくなった。
私も、高専への帰り道を急いだ。
気がつけば、私の顔には、薄い微笑みが浮かんでいた。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。