第19話

19 受け継がれる記憶
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2025/10/02 14:00 更新







大夢said



ハロウィンの翌日、教室に入るとまだ少し昨夜の余韻が残るような雰囲気だった。





窓から差し込む光が柔らかく、白いカーテンが揺れる。









京介「一時間目から歴史?ありえねぇ」



迅「俺歴史の授業いつも寝ちゃう」


既に寝る体制に入っている匠海を叩き起こす







匠海「ちょっと京介やめてやーって大夢?!うそやろ?!」


京介「遂に大夢にも愛想尽かされたね」


匠海「そんなんじゃなかったやろ大夢ぅぅ優しかったやんんん」





教室の扉がそっと開いた。


しかし足音が聞こえない。






教室が静まり返る。








ふわふわとやってきたのはまさかのゴースト。

しかも昨日の。







ゴースト「おはよう、みんな。昨日は楽しんだみたいだね」




アルベールがざわつく。

ゴーストはにこっと笑うが、その瞳の奥には不穏な光がちらり。



ゴースト「さて、今日は少し真面目な話をしよう。この中の何人かが、昨日立ち入り禁止の部屋に近づこうとしていたこと、覚えてるかい?」





(あ……やっぱり見てたのか……!)




結局あの後部屋の近くまでいってちゃっかりレアなお菓子をゲットして来たのだ。


もちろん扉も開けていないし、中にも入っていないが。






あのお菓子美味しかったなぁ



ゴーストはゆっくりと教壇前に浮かぶ。



授業開始のベルが鳴っても、誰も動かない。


ゴースト「その部屋には、数百年前に起こった禁忌魔法反乱事件に関わる物が封印されている。危険だから、軽い気持ちで近づくのは絶対にやめておくれ」



雄大「何ですかその事件って?」

ゴースト「例の事件、って言われたらわかるかな?」



確かに聞いたことがある。









ゴースト「数十年前のことかな。意外と最近。君たちが生まれる随分と前の話。」



ゴースト「魔法議会の重鎮だった魔法使いが、"世界の魔力のバランスを変える禁忌魔術"を使って、魔法界の秩序を覆そうとしたんだ。表向きは"魔法界の刷新”を掲げていてね。」




小さい頃、軽く耳にしたことがある。

魔力の階級差別と決闘主義を極端にに憎み、血統も立場も関係ない、絶対的魔力平等社会を目指す思想家でもあった男。








…表向きは。

実際は自分たち魔法貴族の力をもっと強めることが目的だった。




一般魔法使いの魔力まで自分たちのものにし、強いものが生き残る魔法界を作る。

そう考えていた。




なんとも恐ろしい話である。






ゴースト「そして四つの禁忌魔法を開発したんだ。そのうちの一つが『再構成魔術』。レスコントラと呼ばれたりもする。」



雄大「ええ感じの名前ついとんな」

威尊「不幸話のはずやけどな」






ゴースト「この魔法はね、成功すれば魔力の平等化が可能なんだ。ただ、魔力の総量を破壊的に歪めるから空間と生命が崩壊する危険性を伴っている。」




お察しの通り魔法は失敗。

わざと失敗させたのだ。そして沢山の魔法使いたちが犠牲になった。




例のあの人は姿を眩ませた。

事件後、魔法議会は『理想主義は反乱を呼ぶ』として、平和主義を封じた。



結果的に禁忌魔法の影響もあって血統による差別やらを強化する形になってしまったのだが。





ゴースト「全てあの男の思惑通りになってしまったんだよ。」




高塚家が名家と言われ、魔法学校に寮分け制度があるように。



ゴーストは淡々と語っているのに、その声には妙に生々しい熱が宿っていた。









(……やっぱり、本当にあったんだ。噂じゃなくて)






教室の空気は一気に重苦しくなる。

匠海が思わず口を挟んだ。




匠海「……それ、もうテロやん」


京介「いや、もうただの思想拗らせおじさんじゃん」



ゴーストは笑みを浮かべるが、その眼差しは鋭い。






ゴースト「そう、彼は理想を掲げていた。でも結局は“力”が欲しかっただけだ。――力は、欲望はいつだって、人を狂わせる」





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