(※2人が普通の大学に通う大学生という設定です。)
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〈side:jiwoong〉
重めのレポート課題がようやく終わり、開放感に包まれた徹夜明け。
今日は俺の家で宅飲みしようと誘うと、ジョンウは二つ返事で了承した。
「おっじゃましまーす」
途中のスーパーで食材を買いこみ、築15年のアパートへ。
部屋に上がりこむなり、ジョンウはシンク横の勝手知ったる冷蔵庫を開けて、酒を詰めていく。
何度も来すぎて、もはや戸棚の中身やストック品の残量など、俺より完璧に把握しているくらいだ。
そのままふたりで手分けして、テキパキと料理を作る。
1DKの部屋にふたりで胡座をかき、
ジョンウの作った鍋と俺の作った小皿をつまみながら、ビールやら焼酎やらを開けまくった。
そうして、たつこと数時間。
「んん、ジウ〜〜ン……」
案の定というか、ジョンウはへべれけになっていた。
俺の家で飲む時、3回に1回くらいはこの状態になる。
まあ、翌日にはコロッと忘れているのだが。
ふらつきながらも焼酎に伸ばそうとしている手を、つかんで止める。
「ジョンウ、ちょっと飲み過ぎじゃない?
そんなに強くないんだから、もうやめとけ」
「んぅ……」
さすがに明日に響くだろうと注意すると、ジョンウは不服そうに口を尖らせた。
「やだ、もっと飲む」
「だめ。そうやってこの前も飲みすぎて、翌朝あたま痛くなっただろ?」
「………」
むすっとしたジョンウはしかし、次の瞬間には俺の顔を見てフフッと吹き出した。
酔っ払い特有の脈絡のなさだな、と思いながら、「なに?」と聞いてみる。
「や〜、なんかヒョンてさ、
めっちゃポッポうまそうだよなって思って」
は? ポッポ?
本当に脈絡ないなと思いつつ、目で先を促す。
「そ、なんかすっごい濃厚なのしそうじゃない?」
そーゆーカオしてる!と勝手に決めつけられ、どういう顔だよ、と苦笑する。
何がそんなに面白いのか、ジョンウは口元に手をやりながらまたくっくっと肩を振るわせた。
「あ、でも意外と下手だったりして。
だってヒョン、ほんとはすっごい天然だし、抜けてるとこあるじゃん」
なんもないとこでずっこけるし! とケラケラ笑うジョンウは可愛くて、何を言われても笑って許してしまいたくなる。
とはいえ、俺にだって多少プライドはある。
キスが下手なんじゃないかと言われたままでは、なんとなく悔しいわけで。
揶揄われっぱなしもなんだし、ちょっと仕返ししてやるか。
「ふーん。
…じゃあ、試してみる?」
ニヤリと笑って、ジョンウの顎に手を伸ばす。
「へ、?」
ぽかんとしているその小憎らしい唇に、ちゅっと口づけた。
そのまま、あわく開いた唇の隙間から、舌を差し入れる。
「……ッ! じ、ぅんッ、」
ジョンウは驚いて逃げようとするが、後頭部を手で支えてそれを阻む。
そのままゆっくり上顎を舌でなぞると、ジョンウの肩がびくりと震えた。
「!?……ふ、あ……ッ」
ちゅく、ちゅ、とわざと音を立てて
何度も角度を変えて唇を合わせてやる。
ジョンウの身体はそのたびにピクッ、ピクッと細かく反応した。
その敏感さが可愛くて、キスしながらするりと首の後ろを撫でると
「…ッ! …っやぁ、…」と声を漏らす。
いや、というくせに舌はもっと深く絡ませてくるのだから、とんだ天邪鬼だ。
可愛い反応を返すジョンウに煽られて、
つい我を忘れてキスに夢中になってしまった。
気がつくと、ジョンウの頬はすっかり上気し、息も絶え絶えになっていた。
「…っ、ジョンウや、ごめん!」
これ以上はまずい、ととっさに身体を離す。
ちょっと仕返ししてやろうと思っただけだったのに、
いつの間にか没頭してしまっていた。
そろそろやめないと、俺の方もやばい。
そう思ったのに──次の瞬間、俺の首はぐい、とジョンウに引き寄せられた。
驚いている俺を、ジョンウがうるんだ瞳で、切なげに見上げる。
その奥に灯る明確な熱に、ドクン、と心臓が脈打つ。
「──ゃだ、もっと……
…お願い。ジウン」
舌足らずにそう囁かれた瞬間、
俺の理性の糸はあっけなくぷつん、と切れた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。