第12話

3日目④
222
2025/12/16 08:00 更新
【まぜ太SIDE】
mz
……っは、ッ
mz
え…学校?



頭が混乱する。



これは…あの回想の続き?



それとも現実??



もしかして、あのタイミングで0時になった?



mz
あっぶねー…


命拾いしたわ…



あんまり良く分からない回想だったけど。



まぁ別の人が分かってそうだしいっか。



そう思いながら廊下を歩く。




???
『赤い人が、生徒会室前に現れました』




放送が流れる。



反射的に、周りの教室を確認する。



すぐ近くにあるのは1年生の教室。



……遠い。良かった。



mz
探すかぁ…

コツ、コツ、と乾いた足音が響く。



もう音の事はそこまで気にしない。



どうせ赤い人は、音だけで来るわけじゃないし。



____視界に入ったら終わり。



まずは死角に入らないと。



廊下の端にある教室に入る。



中は暗く、机と椅子が並んでいる。



ここ、前も何もなかった気すんだよな……。



そう思いながらも、確認はする。


mz
無い……次



時間だけが過ぎ去っていく感覚に、無意識に奥歯を噛みしめる。







廊下へ戻る。



視線を前に向けた瞬間。



一瞬だけ___誰かが立っている気がして、心臓が跳ねた。




mz
……っ!



瞬きをする。




___なにも、居ない。



mz
…はは、結構キテんなー…俺



自嘲げに呟く。



首を振って、次の教室のドアに手を掛けた。




mz
……?



開かない……?



カタ、と音はするのに扉はビクともしない。




壊れてる?



それとも……







一瞬、嫌な予感がよぎる。




扉に顔を近づける。




……中から、かすかな呼吸音。




赤い人だったら、多分もう殺されてる。




だから、この感じは____





mz
誰か……居る?



小さく声を掛ける。



pr
…まぜ太?



数秒後、扉の向こうから抑えた声が聞こえてきた。



聞きなれた声に、少しだけ息を吐く。






扉がきぃ…と開く。




ぷーのすけは扉の前でしゃがみこんでいた。




mz
…何してんの?
pr
え、扉塞いでた
mz
それは見たら分かるんよ
pr
いや…足音聞こえたからさ
mz
多分それ俺のだわ
pr
はぁ?紛らわしいなぁ…
   


てか赤い人は裸足だから足音ペタペタ、とかだし。



なんで間違えるんだよ。



mz
ここ、探した?
pr
途中までやな
mz
んじゃ、残り探そう


教室内を手分けして探す。



机。


棚。


教卓。



焦りだけが増えていく。



mz
無いね



俺の声が教室に落ちる。



顔を上げた、その視界の先___








廊下の真ん中に、赤い人が立っていた。








いつからいたのか、分からない。



最初からそこにいたみたいに、赤い人が立っていた。



思考が、一拍遅れる。




mz
…は?



見間違え?



瞬きする。







……いや、居る。



現実だ。








認識した瞬間、背中が一気に冷えた。





pr
どした?




ぷーのすけが俺を見る。



そして、俺の視線の先を見た。









……逃げるか?



いや、距離が近すぎる。



窓を突き破られたら、簡単に殺されてしまう。








赤い人が、動いた。




教室に入ってくる。









pr
____ッ、走れ!!!




彼の声に、意識が無理矢理引き戻される。




ほぼ反射的に身体を動かす。




椅子を蹴倒しながら、外へ飛び出した。



mz
……っ、!



走る音が大きく響き渡る。



肺が痛い。








けれど、背後には確実にいる。



尋常じゃない殺気に、思わず鳥肌が立つ。



近い……絶対に近い……!!




pr
まぜ太、前!!!
mz
……っ、!?



はっと顔をあげる。



視界いっぱいに階段が映った。



pr
下!!



二段飛ばしで駆け下りる。



足が階段を踏み外しかける。



mz
っ、クソ、!




手すりを引っ掴んで体を立て直して、そのまま無理やり加速する。




背後で、同じ速度で降りてくる音。




階段を抜け、一階の廊下へ飛び出す。



視界が一瞬切り替わった、その先。



床に、不自然に転がる塊。



俺の思考が一気に一点に集まる。



pr
あ…
mz
カラダ……!!



声が出るより先に、手を伸ばす。



指先が触れた。



そのまま、一気に引き上げる。



mz
おっ…も、?!




想像していたよりもずっしりと来て、思わずつんのめりそうになる。



ぷーのすけが俺の腕を掴んで、乱暴に引き上げた。




pr
取れた?!
mz
取った!!!


前方に、昇降口が見える。



靴箱。



そして___棺桶。




俺は走りながら体をひねり、棺桶へ突っ込む。



止まれない。



止まったら___終わる。



腕の中の重さを、放り込むみたいに落とす。



mz
はい、った、!
pr
よっしゃ、!



肩で息をする。


pr
はよ逃げな……!!



ぷーのすけが俺の腕を掴む。



でも俺は、それを振り払った。



pr
…は?
mz
いや、もう無理だからw
mz
後ろ



振り返らなくてもわかる。



間に合わない。



mz
だから、逃げて
pr
はっ、?!お前……!!!



いや、無理でしょどう考えても。



あと3秒後くらいには死ぬよこれ。



残った力で思いっきり彼を突き飛ばす。



mz
…、



振り返る。



赤い人が飛びかかってきているのが、視界いっぱいに写った。



ぷーのすけが後ろで何か叫ぶのが聞こえる。



文句いーからさ、大人しく庇われてよ。



俺無駄死にはしたくないなぁ。








次の瞬間、重い衝撃が来た。




声は出なかった。




叫ぶ暇もなかった。




音が遠のく。




衝撃も、痛みも、全部途中で途切れる。




俺はゆっくり、目を閉じた。









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