【るぅとSIDE】
皆黙りこくってしまう。
しょうがない、だって心当たりのある人物が居ないんだから。
かと言って、ジェルくんが自ら妨害しに行くとは考えにくい。
いや…考えたくない。
さとみくんが頭を抱える。
じゃあ、ジェルくんは本心でそんな事をしたの?
ッいや、絶対何か理由があるはず…!
僕が知ってるジェルくんは…理由もなくそんな事するような人じゃない。
さとみくんがそう締め括って、今日の集まりはお開きとなった。
【ジェルSIDE】
カーテンを閉め切ったままで、どれくらい時間が経ったのか分からない。
制服のままベッドの端に座って、俺はぼんやりと床を見ていた。
喉が、酷く乾いていた。
静けさの中で、ふいに空気が変わった。
誰かが来た。
音もなく、でも確かに。
顔を上げる前から分かってしまう。
この感覚は、知ってる。
彼は俯いていて、表情は確認できない。
彼は小さく頷いた後、声を絞り出す様に言った。
ころんはそう言ってから、何も言わなくなった。
思いを吐き出す様に、そう問う。
そこで、言葉を切った。
言ってはいけない気がした。
言ってしまったら、この現実を認めてしまう気がした。
ころんが口を開く。
驚いて視線を上げると、彼は相変わらず俯いていた。
でも、指先が強く握りしめられているのが見える。
思わず立ち上がる。
だが、瞬きした次の瞬間、気配が消えた。
まるで最初から誰もいなかったみたいに。
また、静寂だけが残った。
俺は制服の袖をぎゅっと掴む。
部屋は外より暖かいはずなのに、空気は酷く冷たかった。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。