第5話

ギャング2 fw
335
2025/08/20 09:50 更新
街並みがだんだん、昔のあの治安の悪い場所へと変わっていく。
車が止まると、不破さんは私の手を離さずに降りては、不破さんの住む家の中へと連れ込んでいった。
彼は私の通学鞄を丁寧に置くと、リビングの真ん中にあるソファに座った。
fw
…ここ、座って
不破さんがそう指示する場所は、彼の太腿の上。
跨るように触れと指示して来た。
あなた
…………
そんな命令に反抗するように私はただそこに立ち尽くしたまま、何も言わないでいた。
目も合わせたくない。


フイッと目を逸らした私が多分気に食わなかったのだろう。彼は私の腰に手を回しては無理矢理跨らせて座らせてきた。
fw
…はは、震えてる。かわええなぁ
あなた
………
ふにゃっとした顔で笑いながら彼は言う。
顔を強張らせている私の頬に手を添えてくる。
その手が酷く冷たく思えた。
fw
もう絶対離さへんで。
あなた
……
睨みつけるように彼を見ていると、彼の胸ポケットから私のスマホの着信音が聞こえてきた。
あなた
ハル____
fw
ハル?
その瞬間、空気が一変した。
不破さんは声を低くしてそう聞き返してくると、私のスマホの画面を確認する。
きちんとスマホには「ハル」と表示されていた。
fw
…あー、コイツね。
あなたちゃんはずっとこの男に媚び売って過ごしてたん?
あなた
ちがう、ハルは私の大切な家族だよ
どんなに怖くても、それだけは否定したくない。
fw
……俺ずっと探してたんよ、あなたちゃんこと。それだけ大切やったから。たくさん調べてやぁっと見つけて。あなたちゃんもここにおるとき楽しそうにしてたのにアイツらと一緒がええの?
あなた
…不破さん達のことは、嫌いじゃない、けど……前も言ったじゃん、私は普通の女の子になりたいの。
犯罪にも、麻薬にも染まりたくないし、そんなことしたくない。
fw
……
あなた
今こうして学校生活を送れてるのも、普通の女の子になれてるのも、全部____ハルたちのおかげなの。
fw
……わかった
あなた
不破さん____
fw
じゃあ救急隊を壊すしかないかぁ
あなた
……え?
なんで?なんでそうなるの?
fw
あなたちゃんも言ったやろ、俺らが犯罪犯すギャングやって。あなたちゃんが良い子に言うこと聞いてくれへんってゆーなら俺たちのやり方で救急隊を壊させてもらうけど
あなた
そっ、それは違うじゃんっ
ハルたちは関係ないよっ、巻き込まないでよっ
そう懇願するけど、不破さんは止まらなくて自身のスマホを取り出しては仲間である雲雀たちに電話をかけていた。
fw
あー、もしもし?
もう配置ついてる?
あなた
……え
fw
ん、おっけー。
じゃあこれから救急隊の方に____
あなた
ここに戻るからハルたちには手を出さないでっ、お願い
fw
____…
その言葉を聞いた瞬間、不破さんは表情を緩ませては奇襲の指示を本当に取りやめてくれた。
通話を終えると、私の頭を優しく撫でてはこう呟いた。
fw
良い子
あなた
………
大丈夫、また抜け道作って逃げる道を確保すれば、いつだって出られるから。


すると不破さんは私のスマホを私に渡して、ハルに電話をかけるよう促してきた。
fw
俺は優しいから、ちゃぁんとお別れの挨拶させたげる。
あなた
……
震える手でハルに通話をかけると、ワンコールで出た。向こうはとても心配そうな声色で通話に出てきたのだ。
『あなたちゃんっ、大丈夫!?ギャングに連れ去られてたところを長尾が見たって言うから心配でっ』
あなた
……
こんなに心配してくれてるのに
こんなに優しくしてくれるのに
こんなにあたたかい人を、私は裏切るんだ。
あなた
……ハル、ごめんねぇ
『……え?』
あなた
いっぱい、いっぱいごめんね。
私____もうハルのとこ戻れない
『泣いて……ちょっと待ってどこにいるの』
fw
はぁいお電話変わりましたぁ
不破でぇす
あなた
不破さ____
fw
あなたちゃんはウチに戻ることになったんでもう気にせず人助けでもしといてください。
『はっ、ちょっ____』
fw
せやからもう今後二度とあなたには関わらんといてください。じゃ
そう言って無理矢理通話を終わらせた不破さんは、私のスマホで何か操作をし始めた。
あなた
……なに、してるの
fw
ん?んーと……あ、できたよ
あなた
え…?
fw
スマホのデータ初期化
あなた
____…
なくなっちゃった。


学校の友達の連絡先も


ハルたちの連絡先も


思い出も


全部____


私のスマホをローテーブルの上に置いた不破さんは、優しく私を抱きしめてきた。
fw
…おかえりあなたちゃん。
これからはずぅっと一緒やから。

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