翌日 、目を覚ますと家族の皆は布団で眠れたことに
感動していた 。
ハウスから脱獄して一週間 。
数字にしたら短いけど体感だともっと長く感じる 。
久しぶりの布団に久しぶりのお風呂 、
みんなが盛り上がる気持ちも分かる 。
皆が風呂に入っている間 、エマはあいつらが着替える
服の準備 。
俺は 、朝食の準備をしていた 。
15人分のスプーンを一人で並べていく 。
___ ハウスに居た時にもこういう事あったな 。
アンナから受けた罰ゲームで起床時間前に 、一人で
朝食の支度をして 、
膨大な準備の量に絶望していた時にあなたが
眠たそうな顔してやって来て 、
俺がよりにもよってアンナの所にナイフを二つ置いて
それを見たあいつは涙が出るくらい笑って 、
その後 、二人で協力して急いで準備を終わらせて 。
順にスプーンを置いていた手を止め 、俺はその場に
しゃがみこむ 。
共に脱獄した家族の中に 、あなたが 、ノーマンが
居てくれたら 、ってどんだけ考えたことか 。
もう会えないって分かっていても 、そう簡単に
信じたくねぇんだよ 。
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
あの時みたいにふらっと現れたりしてくれねぇかな 。
もう一度 、俺の前で笑ってくれよ 。
もう一度 、優しい温もりで抱きしめてくれよ 。
もう一度 、
────────── 「 好き 」って言ってくれよ 。
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
Emma side
朝食を食べ終え休息を取った後 、私達はこの先の
計画について話を始めた 。
フィル達をどう救うか 、
そして人間の世界へどう逃げるか 。
会って話を聞くはずだったミネルヴァさんも
いなかったから 、自分達で何とかするしかない 。
昨日 、私とレイが寝る時間を割いて資料に目を通したけど 、それはほんの一部に過ぎない 。
資料室には本当に沢山の情報が詰まっていた 。
どこにどんな農園があるとか 、
農園ごとの管理記号とか 。
本や資料だけだと 、古い情報しか手に入らないことに
なる 。
だけど 、そうじゃない 。
私の言葉に皆が頷いた 。
________ そう 、ここからが本題だ 。
私はギルダの質問に頷く 。
隣に座っていたレイが 、一枚の手紙を皆の前に
出した 。



















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!