岩本照side
二人で、ゆっくりと行き先も決めずに
ドライブをする。
昼間の優しい日差しが車に入ってきて、
助手席のふっかを照らす。
永遠にこんな時間が続けばいいのに、
優しげで綺麗なその横顔を
横目に見ながら考えてしまう。
…やっぱ俺、この人のこと好きなんだなぁ…
見てることがバレ、
見られるのが嫌いじゃないって許してくれるし、
俺の推しすっごい…本当もお//
うっ//
そーゆうのサラッと言っちゃうんだもんなぁ…
…
…
…色んな人に言ってたりするのかな…
俺以外にもきっとふっかを車に乗せる人は
いっぱいいるよね。
ふっか、運転免許持ってないし…
確かメンバーの人たち、みんな免許持ってたよね…
…
嫉妬しちゃってたの…
顔に出てたのかな…
でも、そんな気付くものかな…
信号が赤になったタイミングで顔を見ると
眉が下がって少し不安そうなふっかがこっちを見てた。
…可愛い…じゃなくて
てか…そんな顔させちゃだめだよな…
俺の自分勝手な嫉妬を聞いてすぐ可愛いなんて言うふっか
その顔は、ぽっと赤くなってて顔を手で隠してる
からかってる訳ではないって言うかその反応の方が可愛すぎるよ
くすくす笑うその横顔は無邪気で
この笑顔が俺だけが見れてると思うと
すごい優越感と閉じ込めてしまいたい独占欲が漏れ出してしまそうだ。
…こんな時間がずっと続けばいいのにな…
そう言うふっかの顔は少し赤くて
俺の方をチラッとみていた。
その表情はおねだりしてるような
子供みたいで可愛くて、
それ以上に俺のこと知りたいとおもってくれてるような気がして
嬉しかった。
元気な返事に思わず笑みが溢れる。
こうして、行く当てもなく彷徨う
俺の車の目的地が決まった。
Barから車を走らせ30分程のところに
街中ではないけど
そこそこ綺麗な建物に着く。
俺が働くジム。
ジムの扉を開け
ふっかをエスコートするみたいに部屋に通す。
少し緊張してるのかモジモジしながら
部屋に入って行くふっか。
ジムは初めてなのかな。
目の前にある
一般の会員用トレーニングルームを横切って、
ふっかを手招きして奥の部屋に通す。
ふっかは有名人だから、
バレて欲しくないし
俺の仕事するオフィスがある所へ
ひとまず連れていくことにする。
でもそこに行くにはスタッフルームを通るんだよなぁ
一旦たまたまスタッフルーム前に置いて置いた
俺の帽子を渡す
バレさせたくないってのと同時に、
俺だけの秘密だから、見られないで欲しいなんて
自分勝手な独占欲が溢れてしまう。
そんな俺の感情を知らないふっかは
深く帽子を被り両手を口に当て、こくこくうなずく
少し大きめなサイズだったからふっかはぴったりだった笑
…
てか俺の帽子被るふっか…
すげぇあざといしかわいい
いわゆる、彼シャツならぬ彼帽子???
やっぱ誰にも見せたくないなぁ…
中に静かに入る
ふっかはコソコソと俺の背中にくっつきながら中に入って行く
ほんと…なんていじらしくて
愛らしい人なんだろう。
その時、前から声がした
後一歩、
俺のオフィスの目の前まで来たタイミングだった。
…やっぱ見つかったかぁ…
そうだよなぁ…うちも結構スタッフいるし
大所帯になってきたし…
見つかんないなんて無理だよなぁ…
なんで言うんだよ…
今日が楽しみすぎてはしゃいでたヤツみたいじゃん…
その通りなんだけど…
はず…すぎる
俺がなんていえばいいか迷っていると
後ろに隠れてたふっかの視線をかんじた。
そうだよね、ふっかにとっては知らない人だし…どうしよう…
後輩のスタッフが俺の後ろにいるふっかに気づいたようで
覗き込んできたから、
ふっかを隠すように手を広げてしまう。
変な空気が流れてしまうのを感じた。
芸能人だから、
アイドルだから、
そんなの建前で、
好きな人を、
俺との二人のふっかを見られたくなくて、
取られたくなくて、体が勝手に動いた。
友達、友達でも嬉しい、もちろん。
出会えたことが奇跡だし、
今一緒にいるのなんて何億分の1の確率なんだろって何度も思う
でも、その言葉を口に出したくなくて吃ってしまう。
俺は、君が好きだから。
何だか緊張したような声色。
後ろを見るとふっかは帽子を深くかぶっていてどんな表情してるかは見えなくて
そして少し背伸びをし、
俺の耳に息が当たり
ドクっと心臓が跳ねる。
聞こえないくらいの小さな優しく甘い声が耳に響いて、
顔が赤くなるのを感じる。
でもそれと同時に内容が引っかかる。
彼女さん?誰が?
え、もしかして後輩のことか???
思いっきり振り向いて、
勘違いしてほしくなくて、
そんなんじゃないと大きな声が出る。
身振り手振りがワタワタしてしまう。
こっちを見上げるふっかをよく見ると
少し安心したような表情で、
ひょこっと俺の向こう側にいる後輩に顔を隠しながら話しかける。
ね。
と、俺の方に向き直り、
不意にあたたかな温度が腕を包む。
ふっかが俺の腕にきゅっと自分の腕を絡ませる
やばい…声が上ずる。
後輩が話してる途中に
俺の腕は引っ張られた。
部屋の前だったからか、
躊躇なく目の前の扉を開け入っていき、
パタンと扉が閉まった。
いきなりの出来事にポカンとしていると、
腕を組んでたふっかが離れ、俺の方向かずに
ゆっくりと部屋を見渡す
表情は見えない。
ふっかはくるっと振り替えってニコッと笑顔を作る。
そう言うふっかは
テレビの中で笑うように。
でも、どこか不自然で
引き攣ってるよに見えるのは気のせいか。
解散。
ふっかは俺の言葉に目を合わせない。
俺が被せた帽子を脱ぎ、俺のデスクに置いて
今きた道を戻ろうとこっちに向かって歩き出す。
少し俯いて話すふっかが、
俺のすぐ後ろにあるドアノブに手を伸ばす。
ドアノブに後数センチ、
本当に帰ってしまうんだ。
俺は思わず、その手を握ってしまった。
俯いてたふっかの目線が俺の顔に向いて固まる。
驚いたような顔で、
俺、変な顔しちゃってたのかな…
なぜだかぼやける視界の中
ふっかは困ったような顔で、
俺に握られてない
その綺麗な手で俺の顔を撫でる。
え、
うそ
…そっか…俺泣いちゃったんだ気づかないうちに。
ははっ…かっこ悪すぎる。
…好きな人の前で、こんな…
とりつくろうとしたのに、
俺の口から出てくる言葉は
本心のまま、とまらなかった。
俺の頬に触れたふっかの指に俺の手が重なる。
こんな、弱いとこ見せたくないのに。
どうしてもまだ一緒にいたくて、
ふっかが優しいのわかってて
結果として
こんな泣き落としみたいな卑怯な真似をしてしまう。
最低だな…俺。
ふっかは俺の目を見た後、
少し下唇を噛んで、俺の頬から手を離した。
もう片方の握ってた手も離れた。
だめだ、完全に嫌われちゃったな…
もう、会えないのかな、
また前の、
夢を見る前の世界に戻っちゃうのかな、
やばい、また涙が、
なぜか、
ふっかは
俺の体に飛び込んできた。
暖かくて柔らかい、ふっかの体が密着し、
細いその腕が背中に回り優しく抱きしめてくれた。
背中をトントンと慰めるように。
顔は見えないけど
ふっかは体が震え、涙を流しているのがわかった。
なのに、俺は、
そう言ってもらえたことが、
なんだか嬉しくて、
愛おしくて、
気持ちが溢れそうになるのを
ぐっと我慢して
ふっかの細い体を包み込むように
ぎゅっと抱きしめて、
と、つぶやいた。
ふっかへの想いはきっと
ふっかが俺に感じてるのとはきっと違くて
だからこそ、俺は自分の感情を閉じ込める
作者です!
読んでいただきありがとうございます!
遅くなってすいません!
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コメント(実はコメントが1番嬉しくて飛び上がってます)
力になってますありがとうございます✨
今後ともよろしくお願いします。
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。