司視点
チラチラと、彰人が廊下を通るのを今か今かと待つ。
段々と近くなってきている気がする足音に、そっと耳をすませる。
き、来た…!!
俺が教室の扉から、ちらっと顔を覗かせるとえむとパチッと目が合う。
それから、えむは俺に向かってウインクをしてみせる。
よし…、やるぞ!
俺は、えむの後ろを一生懸命追いかける彰人に視線を移した。
えむが通り過ぎ次に彰人が教室の前を通る時、俺は勢いよく彰人を教室の中へと引きずり込んだ。
彰人を教室に引きずり込み、急いで教室の扉を閉める。
たくさんの足音が遠ざかっていくのを聞いて、ゆっくりと教室の外を覗いてみる。
どうやら、えむが全部引き連れて行ってくれたようだ。
あとで、たい焼きを買ってあげよう。
段々と、呼吸が整ってきた彰人を見てそろそろ話を始めようかと思う。
まずは何から話そうかと思っていると、俺より先に彰人の方から口を開いた。
ペコッと小さく会釈をし、教室から出ようとする彰人を慌てて引き止める。
話を始める前に、帰られては作戦が無駄になってしまう。
最近俺のことを避けているだろう?、そう聞こうと思うが何故か上手く声が出ない。
俺は、ならば別のことを言おうと思いきって口を開いた。
本来言う予定ではなかった言葉に、自分自身も少し驚く。
ただ、彰人と練習を一緒にできるとはなかなか胸が踊る光景だろう。
思いつきの提案だったが俺は、そのまま話を続けることにした。
そう言って、また帰ろうとする彰人をまたまた何とか引き止める。
むむむ、どう言ったら彰人にも魅力的にうつるだろうか。
!!
彰人がどうやら、前向きになってくれたらしい。
少し悩んだ素振りをしたが、彰人ならきっといい返事をくれるだろう。
俺は、彰人の手をぎゅっと握った。
む、これは仮の愛情表現だと思っているな?
適当に返事をする彰人を見て、本気だと訂正しようとするが彰人は俺の手から離れると教室の扉に手をかけた。
To Be Continued___
(気分が乗ったらひとくちメモ📝コメントにて🍀⋆゜)












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!