淀んだ空気が満ちる執務室にノック音が響く。
" 皇后付き " その言葉で嫌な脈が跳ねたが
努めて冷静を装い、気丈な声を絞り出す。
ベティ、彼女は皇后付きの侍女であり
『 本当に困った侍女なのですよ笑 』
皇后という貴い身分で
命を狙われる運命にあったあなたの下の名前(カタカナ)が
最も信頼していた侍女。
もっと、早く判断していれば
もっと、僕が冷静だったら
こんなことにはならなかったのだろうか
そんな、今さらすぎる後悔を
責めることしかできない。
そこで、初めて彼女と目を合わせた。
真っ赤に腫らした目が皇帝を睨んでいた。
鋭い宰相の指摘をはねのける彼女の
物言いに重臣らが眉をひそめるのがわかった。
知らない、ありえなかったはずの
事実が零れていく。
隠しきれない証が耳に届いた。

新作ミステリー10位感謝です🎶
# 交換宣伝無条件ですので、誘ってくれると嬉しいです













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!