さとみside
ドクン...ッドクン...ッ
ころんの手術が続行されてからもう20時間...
俺の心臓は鼓動を早めるばかりで、他のみんなもわかり易すぎるほどにソワソワしている
あなたに至っては、ずっと立ってころんのいる部屋を見据えているからか、若干顔色が悪い
ペラッ.....
俺はおもむろに、俺がころんが眠っていた間病院に持ってきて度々読んでいたアルバムを開けた。
表紙には大きく、可愛くレタリングして描かれた「さところ」と言う文字
アルバムの中には、俺ところんの写真が山のように入ってる
俺がころんを泣かせてなーくんに怒られてる写真
クリスマスにお揃いのサンタの衣装を着せられて、恥ずかしそうにしている俺と横ではしゃいでいるころんの写真
2人で出たサッカーの大会に優勝した時の写真
2人でゲームに熱中している時の後ろ姿が写った写真
2人で森で遊んでいたら迷子になって、何とか2人で泣きながら家に帰ってきた時の写真
幼稚園、小学校、中学校、高校の卒業式や入学式の写真
俺ところんが、肩を組んでピースしている写真
俺たちのアルバムは、高校の卒業式の頃ら辺でもう止まってしまった
...こんなことなら、もっところんと写真を撮っておけば良かったな。
スマホにも写真はあるけど、高校まで続けてきたアルバムは、大人になるにつれて止まってしまった
ぜんぶ...ころんがわるいもん。
おれじゃないもん。
弟に励まされるなんて情けねぇ。
そう思いながらも、俺はもう一度ころんの病室の前で手を合わせた。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。