お兄ちゃんと凛、そして乙夜先輩が合流し、ようやく全員が揃っての練習が始まった。
この数日で分かったこと。
その一、凛と士道さんは徹底的に合わない。相性とかそういうレベルじゃなくて本当にプレースタイルも全然合わない。
その二、うちの学校の理事長と一法の理事長(不乱蔦さんと言うらしい)は仲が異常に悪い。
その不乱蔦さんについてなのだけれど、彼は昔絵心先生の上司だったらしい。サッカー選手に上司も何もあるのかはよく分からないけれど、とりあえずその時から仲は険悪なようだ。
私的にもあの人は苦手だ。
利に敏いというか、平たく言えばがめついというか……。
そしてなんか。
……勧誘?された。
もちろん断ったけれど。
私は別に自分の力を上手く使ってもらいたいなんて思っていないので。
私は好きで青藍でマネージャーをやっているのだ。
力になれれば良いとは思うしこの合宿中は協力もするけれど、誘われたからと言って転校まではできない。
私情で転校なんて両親もそんな簡単に納得はしないと思う。
いろいろなあれこれがありつつも合宿は進み、明日は練習試合。両校のメンバーともとても燃えている。
そんな中。
お兄ちゃんが風邪を引きました。
練習中、なんかお兄ちゃん今日不調じゃない?って気づいて、まさか体調悪い?って思って確認してみれば、まさかの予想がドンピシャ当たり。
軽い風邪だったらお兄ちゃんは無理してでも試合には出ようとすると思う。
けれど熱が38℃以上あって咳も出て体が怠いとなれば流石にドクターストップがかかる。正確にはドクターじゃないのでマネージャーストップかシスターストップだけれども。
よりによって練習試合前日。
試合開始まであと二十時間もない。そんなすぐには回復できないだろう。
早く練習に戻りたかったら大人しく安静してさっさと治してもらうしかないのだけれど、お兄ちゃんがうちの主力なのは間違いないので、お兄ちゃん抜きで一法と試合をすることには一抹の不安を覚える。
多分お兄ちゃん自身それを分かっているので気が気でないのかもしれない。
一つ心配なことがあるとすれば、凛と士道さんが試合中に何かやらかさないかなのだけれど、恐らく大丈夫だと思う。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。