心を結び合わせた二人に与えられた時間は、あまりにも短すぎた。
お互いの気持ちを確かめ合ってから数日後。勇斗がグループの仕事で朝からテレビ局にこもっていた、その日の昼下がりのことだった。
勇斗のスマートフォンが、楽屋の机の上で激しく震えた。
表示されたのは、あなたの携帯番号ではなく、彼女がいつも通っている総合病院からの着信だった。
勇斗「………もしもし、佐野ですが」
嫌な予感に心臓をバクバクと高鳴らせながら電話に出た勇斗に、受話器の向こうの医師は、冷酷な現実を告げた。
医師『花沢あなたさんの関係者の方でしょうか。...…先ほど、花沢さんがご自身の生花店で倒れられ、院に緊急搬送されました』
勇斗「……え?…」
医師『今、意識は取り戻されていますが、心不全の症状が急激に進行しています。・・・・・・今すぐ、病院へ来てください』
頭の中が真っ白になった。
勇斗はマネージャーに頭を下げ、次の現場までのわずかな合間を縫って、狂ったようにタクシーへ飛び乗った。
病院の集中治療室(ICU)の前に着くと、重苦しい空気が廊下に漂っていた。
出迎えた主治医は、勇斗を見るなり、痛ましそうな表情で首を振った。
医師「佐野さん。覚悟をして聞いてください。....彼女の心臓は、もう限界を超えています。あらゆる処置を尽くしていますが、今の状態では……………もう、4日も残っていないでしょう」
勇斗「4日…………!?そんな、一ヶ月って言ったじゃないですか!まだ数日しか経ってないのに、なんで......つ!」
勇斗は医師の白衣に掴みかかりそうになるのを、必死で堪えた。溢れ出る涙で視界が歪む。たったの4日。
一ヶ月ですら短すぎるのに、神様はどこまで彼女に、そして自分に残酷なのだろうか。
勇斗「………………あなたのところに、行ってもいいですか……?」
医師「行っても大丈夫です。ですが、長時間の会話は身体に障りますので、短時間でお願いします」
勇斗は震える手でドアを開け、病室へと入った。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。