日菜乃said
脇腹に注射器が刺さる。
と同時にあなたの体がピクっと反応を見せた。
ほっと息をつくと、呼吸できるようにあなたの顎を持ち上げている春樹を見る。
救急車のサイレンが遠くから聞こえる。
その音に全員が安堵の表情を見せた。
日菜乃said
救急搬送され、手術を受け終わったあなたは病室で眠っていた。
広い個室の病室にノックがされる。
病室のドアの前でそう言った医者に、あなたの弟たちも近寄ってくる。
医者が銀色のバットをこちらに差し出す。
バットに乗っていたのは、きらりと赤く光るガラスのようなものだった。
目の前の医者を気にしてか、少し声のボリュームを絞って春樹が言う。
バットを手渡すと、医者は病室から出ていった。
静まり返った病室の中、小さく漏れたあなたの声が聞こえた。
ガバッとあなたに抱きつく水色頭の子。
相変わらず綺麗な顔立ちをしたあなたが、ゆっくりと目を開く。
みんながあなたのベットを取り囲むように立ち並んだ。
ガタンッ
覆い被さっていた子ごと、あなたがベットから落ちた。
どうやらあなたが水色頭の子を押し倒したようだ。
呆れてベットの反対側に回る。
しかしそこで見たのは……
馬乗りになってナイフを振り上げるあなたの後ろ姿だった。
ドスっとナイフが振り下ろされる。
首にかすったのか、ピッと血が飛んだ。
痛がるその子を前に、再度あなたが床に突き刺さったナイフを引き抜こうとする。
それを見て咄嗟に首裏を叩いて気絶させた。
ふらりと体制を崩して水色髪の子の横に倒れる。
病室の空気が一変、戸惑いに溢れた。
カタカタとパソコンの音が響く。
あなたの弟たちが動揺に目を揺るがせながら、タイピングの動きを追っていた。

















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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。