「 … であるからして 、
斜辺の長さは 4√17 に … 」
ちら 、 と例の転校生の方を見る 。
彼女はぼんやり窓の外を眺めていた 。
授業に全く関心がないんだな 、 なんて呆れながら
俺もペンをくるくると回して遊んでいた 。
「 転校初日からいい度胸ね … !
春井あなた ! この問題を解いてみなさい ! 」
先生がバン 、 と大きな音を立てて黒板を叩く 。
眠りこけていた生徒らもその音で顔を上げた 。
別に問題を示すだけなら
アソコまでする必要は無いと思うんだけどな 。
『 6√2+4 』
「 くっ … 正解よ … 」
窓の外を見たまま答えた彼女に先生が
悔しそうに顔をしかめる 。
一応話は聞いてたんだろうけどさ 。
ノールックで答えるとは 。
「 じゃ 、 じゃあここの問題を黒羽快斗 ! 」
快斗「 えっ俺 ? 」
ちゃんと俺授業聞いていたのに 。
不意打ちの巻き込まれに思わずま抜けた声が出る 。
そんな俺の様子を見てクラスメイトが笑った 。
快斗「 くっそ … 。 」
はぁ 、 とため息をついた 。
例の転校生は相変わらず素っ気ない 。
快斗「 3√11-2 。 」
「 正解よ … 」
先生のコレはデフォルト 。
いつもこんな感じで負けては項垂れてる 。
だけどあの転校生 、 何者なんだ ?
俺は心の中で首を傾げた 。
彼女は俺の考えなど露知らずあくびをひとつしていた 。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!