きゅッと、帯を結ばれ
鏡越しに映っているキヨのお母さんにお礼を言う
今日は 夏の大イベント 花火大会
一人で着るのは難しいため、浴衣の着付けをキヨのお母さんにしてもらった
ピーンポーン
インターホンが鳴り、キヨのお母さんが外の様子を見に行く
鏡で自分の姿を見詰める
赤色の着物 。
どうしよう、派手すぎたかな?
なんて、急に謎の緊張がはしって、そわそわする
うっしーの姿を見た瞬間、変な緊張がとけ、ほっとする
なんだ、キヨじゃなかった
ドアの先に居たうっしーは、約束通り着物を着ていた
去年も着物姿を見てるはずなのに、なんだか大人っぽく見えたのは気のせいだろうか
変な感じがして、なんか身体がかゆい
見せつけるようにその場でくるりと回ってみる
最近うっしーが変だ
いや最近というよりちょっと前から
サラッとそういうこと言うようになったというか、
〜〜〜〜〜
___ッパン
見事に命中。
こてん、とお菓子が倒れる。
花火が打ち上がる前に屋台を楽しんでいて、今は射的
屋台のおじちゃんから鉄砲を受け取る
___ッパン
屋台のおじちゃんからもらったのは、なんか変な顔をした猫の指人形だった
うっしーが持ってくれているポテトの袋からひょいひょいとポテトをつまむ
まじ屋台のポテトうまい 。塩加減最高
某マク◯ナルド店の2番目にうまい
にまッと笑って自信満々にそう言う
少し間を空けて答えたうっしーに
ぽんぽんッと頭を撫でられる
え?
『 キヨ 』
その単語が聞こえて つい反応する
自然と目がキョロキョロ動き、確かに声がした方に目をやる
目の前の光景に目を見開く
居るはずのないキヨと腕を絡めている着物をきた女の子
よく見れば、女の子の顔は見たことあった
映画をキヨと見に行った時に会った一人の子だ
下駄箱でからかってきた子
あれ誰とも約束してないんじゃなかったっけ
急に足を止めたせいか、うっしーが心配そうに私を見詰める
足は痛くない
あれ、なんだろう
呆然と立ち尽くしてる間にキヨとその女の子はこちらへと向かって歩いてくる
まずい、こっちに向かってくる
と、気づいた時にはもう遅くて
人も多い中、バチッとキヨと目が合う
私を視界に入れると、キヨの目がまんまるとなっていく
私と同じ赤い着物を着た女の子がこちらを見る
女の子は私だと分かれば、笑みが消え、睨むように目を細めた
目の前のことが衝撃でなにも言葉がでなかった
賑わってる屋台とは対照的に、私達の中では沈黙が流れる
その沈黙を破ったのは、女の子の声
私から目を離せば、キヨに視線を向け、
ぎゅッと、力を込めるようにキヨの腕にしがみつく女の子
その瞬間、どくんっと胸に重い音が鳴る
あれ、なんだろうこれ
うっしーが私の手を取り、手を繋ぎ
グイッと引っ張られる
先程まで固まっていた足が動き
重い足取りで、うっしーについて行く
すれ違う際、キヨが私の名前を呼んだ気がしたが、
女の子の媚の売るような声でかき消された
歩幅を合わせて歩いてくれるうっしー
そういえば昔からそうだった
いつも一緒に居てくれて、笑わせてくれて、助けてくれて、
___ドンッ 🎆
真っ暗な夜空に綺麗な光の花が咲く
その一つの花火を合図に、たくさんの花火が打ち上げられ始める
思わず、その迫力に見惚れる
目も身体も花火に吸い込まれそうだった
〜〜〜〜〜
花火大会は終わり、今は帰り道
本当にあっという間だった
帰り道は、たわいもない話で盛り上がった
ひらひらと手を振れば、反対方向を向き、歩き始めるうっしー
その後ろ姿を見詰める
背中を追いかけ、ぎゅッと、うっしーの裾を掴む
それと同時にうっしーが振り返り、
目を丸くさせたうっしーと目が合った
すぐさまうっしーが顔を逸らし、口元を手で覆う
暗くてよく分からなかったが、ほのかにうっしーの耳が赤く染まっている気がした
うっしーが言葉を詰まらす
きっと隣に私の母親がいることを気にしてるのだろう
今、家に居るのかすら知らないが
別にそんなことはどうでもいい
______
現在地は レトルトくんのお家
部屋着とか、その他もろもろは
一回キヨ家に取りに戻った
お泊りすることをキヨのお母さんに伝えると
楽しんでおいでと見送られた
もし鉢合わせたらどうしようと考えていたが、そんな心配はしなくて良かった
まだキヨは家には帰って来てなかった
〜〜〜
うっしーがお風呂に入っている間、レトルトくんに射的の景品を見せつける
射的の弾が斜めに飛んでいったことを話せば、爆笑して手を叩くレトルトくん
そんなおもしろい??????????
はは、と乾いた声で笑う
口角が引きつるような感覚がした。苦笑いになってたかもしれない
私がそう言うと、何故か悲しそうに笑う
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うっしーとは、何回かお泊りはしたことはある
その頃はまだ父親と母親が仲良かった頃
人間誰しも時間が経てば変わってしまうのだろうか
先程の花火大会の光景が頭に浮かぶ
next
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ドームイベまでもうすぐですね✨😸
勿論 グッズ買いまくりました🤸🏻♀️













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!