あなたside
今日、夢を見た。
とっても幸せな夢。
将来銀太と結婚して幸せに暮らしていく夢だった。
朝、起きた私は目から涙が零れていた。
なぜ泣いているのか自分でも分からない。
また今日も仕事だけ。
銀太とレペメンに会うために仕事をしてるけど
月に1,2回会えるかどうかわかんないんじゃあ
仕事やっても意味ない気がする...。
でも仕事辞めたら他に就職できる場所なんて
自分にはもう残ってない。
そう自分に言い聞かせて今日も家を出た。
自分の仕事はコンビニ店員。
特別給料は高いってわけじゃないけど
お小遣い稼ぎには充分だ。
少し照れたように笑う女の子は会計を済ませると
嬉しそうに帰っていった。
声のした方を振り向くと、そこには銀太がいた。
といいつつも、内心とてつもなく嬉しかった。
だって銀太が来てくれるなんて思ってなかったから。
しかも銀太から。
...会いたかったからとか言われると
勘違いしちゃうよ...?
そう思いながら、会計をしていく。
...っしゃああああ!
やっとライブ以外で喋れた...!
ほんとにうれしい...。
私はあまりの嬉しさに泣きそうになった。
私の異変に気づいた先輩が声をかけてきた。
先輩はほんとに良い人だなぁと切に思う。
ついさっきまで仕事を辞めたいと思っていた自分が
馬鹿らしく思えてきた。
先輩が帰ったあとの2時間はとても長く感じた。
でも、今日の仕事はほんとに最高だったと思う。
また明日から頑張ろう、そう思うことが出来た。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。