______「 こんにちは ! わたし 、あなたっていうの 。きみの 名前は? 」
「 __の悪魔… ?きみ は悪魔なの ? 」
「 え ? ううん 、全然怖くないよ ! かっこいいね 、悪魔 ! 」
「 … じゃあさ 、__の悪魔 。わたしたち 、友達にならない ? 」
自室のベッドに座ったまま、ぼんやりとした頭で昔のことを考えてみる。
私は 私と契約している 悪魔のことを覚えていない 。
その悪魔が “ 何の悪魔だったか ” も、“ 契約の代償 ” が 何だったかも … 本当に覚えていないのだ 。契約している悪魔には 申し訳ない気持ちしかないが 、本当に心当たりがない 。
覚えていることと言えば 、上記の 会話だけ 。あの会話の相手が 、きっと 私と契約している悪魔だろう 。
特に 思い当たる代償が無いのを見る辺り 、悪魔が軽い代償としてくれたのか … はたまた無償としてくれたのか 。どちらにせよ 、相当その悪魔に好かれていたのだろう 。
… いや 、そうだと信じたい 。
そうやって、今日も慌ただしい一日の幕を開けた。
その日の正午。
私は、コベニちゃん暴力さんバディのお供として悪魔退治をしていた。
…というのも、私にはバディがいない。特異4課の中で私だけがバディのいないデビルハンターなのだ。
マキマさんが言うには、
「 詳しいことは話せないけど… あなたちゃんの契約している悪魔が 強すぎるから 、かな 。
あなたちゃんには 従順だけど 、他の人には何するか分からないから 。暴走でもしたりしたら 、一番近くにいるバディが 被害を被るを得ないしね 」
とのこと 。
そもそも私はその悪魔を覚えてすらいないんですけど … という言葉を飲み込んで 、今こうやって4課の人たちにお供して悪魔を退治している 。
なにせ量がなぁ、と話す暴力さんに「 多かったですよねえ! 」 と返したあと、視線を腕時計に落とす。
しまった 。今日はあともう一件 、アキくん天使くんバディのお手伝いをしなきゃいけなかったんだ 。
約束の時間が迫っていることに気付いた私は 、ふたりに向き直り ばっ 、と頭を下げた 。
涙目のコベニちゃんを見て 、私は焦った 。
このまま私がこのコベニちゃんを 放って任務に向かえば 、たぶん コベニちゃんは私を引き留めたことを後悔し 自己嫌悪に陥る 。それはよくない 、大切な友達を傷付けてはいけない 。
ぐぬぬぬぬ …と 思考をぐるぐる回す 。悩んだ 。それはもう大袈裟に 。そして悩みに悩んだ末に 、暴力さんの
の一言で 折れた 。というか 、吹っ切れた 。
その後の 私はというと 、それはもう清々しいほど潔く 、任務も約束も ほっぽりだして 2人と 遊んだ 。
今思い返せば 本当に最低ムーブだったと思う 。
アキくん 今頃 怒ってるだろうな … でも私に興味なさそうだしな … 天使くん なんか私の存在すら 忘れてるだろうなぁ… なんて思ったりもした 。それでも やっぱり 、今度 菓子折り持って謝りに行こう 。
な〜んて会話を 、してたとか 。
このあとあなたちゃんは アキくんに こっぴどく説教されるのですが 、その話はまたいつか 。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!