あなたの下の名前side
朝、いつものように目を覚まして上体を起こした
整頓された1人で生活するには少し寂しい
長屋の隅をぼーっとしばらく見つめて
またしばらくしてから立ち上がる、これが朝のルーティーンだ
続いて、戸を開けて縁側に出る
暖かい空気に包まれながら目を細めて空を見つめていると
少し遠くからは一年生たちのはしゃぎ声が聞こえてきた
そう考えて部屋に入ろうとしたそのとき
……けて~~
どこからか声が聞こえた気がした
…た…けて~~…
やっぱり気のせいではなさそう
そう離れてはない……下の方から聞こえてくる…
ザッザッ
草履を履いて声のする方へ向かう
ザッザッ ザッザッ
目の前にあるのは大きな穴
そして驚きつつも屈んで中を覗いてみると…
タカ丸さんを発見しました












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!