ただでさえ寒い気温が
さらに2、3度下がった気がした
せんせは私の手を握る
手が震える
いつの間にか早くなっていた呼吸を整えると
オーバーサイズを着た時のようにゆるりと落ち着いた
せんせはどこかにメモを取ってた
ライターに火が灯って、空気が暖色に染まる
それを言われて、あ、と思い出す
絡まった糸の内部が見えてきた気がする
煙草に火をつける、煙が上がる
先生の手には空箱のみが残った
ようやく、気分が落ち着いてきた、
え?
私情は挟まない、分かってる
1度も動いてないメッセージ欄を確認して
そう声をかけて私は公園を出た













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!