第5話

過去_悪夢
1,629
2023/06/20 22:30








五条家の人
五条家の人
あなた様、そこで何をしておられるのですか。

わたくしめはここで大人しくしておれと言っていたはずですが






「今日は、そんなこと言われていない」







五条家の人
五条家の人
…………




おれがそう言うと、世話焼きの人はあからさまに嫌な顔をした。


まるで、おれを忌避するような、ゴミでも見るような目だ。




おれは、あの目を見たことがある。









禪院家の、術式がない者へ注がれた目線





それと、全くの瓜二うりふたつだ。






五条家の人
五条家の人
いいから、黙っておけよ…




ちっ、と舌打ちする音が聞こえた。




胸の奥がきゅうっと押さえつけられる。
ああ、嫌な顔。



おれが嫌いな顔。












甚爾
甚爾
─────い









甚爾
甚爾
───おい








甚爾
甚爾
おい、あなたの名字起きろ






あなた
───ッは
あなた
す、すみません。
何か差し支えありましたでしょうか
甚爾
甚爾
…………。
唸っていて煩かったぞ
あなた
……申し訳ありません。






あなたは、ぐっと奥歯を噛み締めるように謝った。



甚爾はあなたに先日のことはなかったことのように振る舞われているが、所々に動揺が見えているのは明らかだった。






甚爾
甚爾
……次、仕事は?
金なきゃやってらんねーよ
あなた
……次は……。
あなた
ああ、これなんてどうでしょう。
甚爾
甚爾
どれだ
あなた
こちらの、呪詛師殺しです。
呪術界にも大きな打撃を産む存在ですが、今回の相手はなかなかです。
あなた
どうやら、日本政府の中に紛れ込んでいるようで、ガードは高いのです。
甚爾
甚爾
それは、俺にただ突っ走れっつってんのか
あなた
いえ。今回のターゲットの場所までは私が同行いたします。
あなた
私はターゲットがほぼ毎日いる国会議事堂の鍵と顔パスを持っていますから


ニコッとあなたは笑うが、そこに温度は感じられない。

ただ、機械のように微笑んでいた。




まるで、どこかに笑顔の本質を置いてきてしまったかのようだ。
甚爾
甚爾
はっ。なるほどなぁ。
で?報酬は?
あなた
前回より落ちはしますが、八千万です。
甚爾
甚爾
ほう……いいじゃねぇか。
そうしよう。

因みに、そらぁいつにする?
あなた
私の方で準備もあるので、2日後なんてどうでしょう。

朝の3時に仕掛けましょう。
甚爾
甚爾
……分かった。2日後だな。
それまでは、楽しく10億を溶かしとくぜ
あなた
ええ、そうしてください。
 


あなたは一礼をすると、甚爾と別れた。









悟
傑〜、今度の任務は同行だってな
傑
そうらしいね。
特級2人に同行させるなんて、久しぶりに楽しめそうじゃないか
悟
確かにな。
悟
まっ、俺は国会議事堂なんか興味ねーけど!!
傑
私はあるよ。
今回でかなり中を探るだろうから、探検ついでに見学だね
悟
優等生ぶりやがって
傑
フリもしない悟に言われたくないね




甚爾
甚爾
…………あ"ーっ。クソッ
また負けた。
甚爾
甚爾
(ま、今度また八千万入ってくるからいいか)






孔 時雨
孔 時雨
よお、久しぶりだなぁ。
相変わらずギャンブルに金溶かしてんなあ
甚爾
甚爾
あ"ー?
俺の金だ。どうするかは俺の判断だ
孔 時雨
孔 時雨
はは ニッ
相変わらずだな。それと、どうだ?あなたの名字のやつ。なかなか使えるだろ
甚爾
甚爾
……………。
まあまあだな
孔 時雨
孔 時雨
厳しいな。何か理由でもあんのか?
甚爾
甚爾
…………。
お前、あなたの名字をどこで取ってきた
孔 時雨
孔 時雨
…………そりゃ、必要な話か?



時雨は、おどけたように笑ってみせた。



甚爾
甚爾
…別に。
ただ、俺に支障が出るようなもんだったら、テメェの首をはねるからな
孔 時雨
孔 時雨
それは困るなぁ。

ま、あなたの名字は確かにお前に隠し事をしているが、お前に迷惑が掛かるような面倒事は起こさねぇだろうな
甚爾
甚爾
……そーかよ














昼夜問わずこんばんはで挨拶する藤宮っす。


こんばんは。





なんとなーくあなたの秘密があらわになりつつありますねー。





更新は不定期になるので、今後とも気長にお待ちください🙇‍♀️🌾。






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