〜みあ Side〜
幸せって、どんな形をしているのかな。
誰も幸せの形なんて見たことがない。
だから人は、好きなもの、
大切なものを抱きしめて幸せだと零す。
幸せの価値観はそれぞれ違うから。
それと同じように、家族の価値観も違う。
はく、と開いた口から言葉が飛び出ることはなくて。
怖くて、苦しくて、つらくて、どうしようもなくて。
りんの変わりにれおが腕を伸ばす。
私より、大きい体。
当たり前だ。
りんは4歳の体。
私は7歳の体。
れおは11歳の体。
"私達は生まれた歳から成長できない"。
たとえ外の体がどれだけ歳を重ねたとしても、
私達は永遠に生まれた時の体で生き続ける。
きっと、永遠に。
隣でそっと震えてるりんを見る。
そっと暖かい腕から抜け出して、立ち上がる。
思いきり泣き喚いてしまいたい。
なんでなんで、と。
どうして私なんだと。
苦しくて仕方なくて、
それでも世界は後6年家族といないと許されない。
私はこの子を守らないといけない。
この子が笑えるようにここを守らないといけない。
この子が傷つかないように、体を護らないといけない。
誰にも信じてもらえないと分かっている。
わかりきってる。
だって、世界は家族は仲良しなものだと思い込んでいるから。
たとえどれだけ苦しくても。
どれだけ家に帰りたくなくても。
もう終わりにしたくて体を投げても。
それでも、この身体を護らないといけないから。
幸せはどんな形をしているのか知らない。
けれど苦しみはいつも、
喉をつかえる砂のようなモノだと知ってる。
その砂を見ないふりをして、砂に溺れないように、
その砂が水に変わって、溺れてしまわないように。
必死に息をして、泡を吐き出して。
部屋のモニターが終わりを告げる。
そうして、私は今日も笑って朝を迎えるんだ。
幸せってどんな形をしてるんだろう。
もし、叶うのなら幸せっていうのは
私を包んでくれるあったかいモノだったらいいのに。
また、泡が弾ける音が聞こえた。
パキン!!












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!