あれからは他の奴らに茜を任せた。
俺が出しゃばるとアイツらが何を言うか分からんし
あの中に入るとどんどんページが捲られるから。
季節はうって変わった真冬の事やった。
散歩の帰り、公園を見ると
見覚えのある影が二つあった。
よく見ると茜と泰雅で。
大きな木の後ろでもたれて
聞いた内容は、「好きな人」
お互い日葵の事を好きでいる者同士
だけど、泰雅はその事に気付いてない。
自分の事をあまり見とらん好きな人が
想い人の事を見とるから。
その想い人が今、茜に好きな人の話をしとる。
仲間思いで優しい茜にとって、
思いをぶつける事も、相手を傷付ける事も
絶対にしない。
突然茜の言葉に
俺の一番後悔した日が蘇った。
一番傷付いた日。
言葉が出なくなった日。
あの話をした次の日やったっけ。
あいつらが付き合ったんは。
あの話をして以降やったっけ
まともに会話をしてこなかったのは
あの話をしてからやっけ。
俺の気持ちが上手く制御出来へんくなったのは。















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!