家に入ってから てひょん が静かにそう言った。
てひょん の目がぎらりと光る。
ごめん。
でも、
このままじゃだめな気がする。
“ 洗脳されてるみたい ”
じんひょん の言葉が蘇る。
僕が勇気を出して言った言葉は震えていた。
〈 ドッ 〉
顔に痛みを感じる。
床が顔のすぐ横にある。
あれ、?
てひょん の声も、震えていた。
〈 ドッ 〉
次はお腹に痛みがはしる。
てひょん をこんなにしてしまったのは僕だ。
僕を殴る てひょん の手が止まる。
てひょん がため息をつく。
てひょん はまるで飽きたおもちゃを捨てる子どもみたいな態度をとる。
そして、僕たちの関係はあっけなく終わった。
なんだったんだろう、
飽きた……
そう言われると、なんか、
やっぱり悲しい、
たぶん、自分に興味のない僕に飽きたんだろうな、
てひょん 大丈夫かな、
もしかしたら、
“ 飽きる ” ことで精神的に追いつめられることを避けた、とか……
なんて、
自惚れすぎか……
そんなことより、
これからどうしよう、
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。