いつもの生徒会室に行くと、そこには鬱がいた
髪をくるくるといじりながらスマホを見ている
そう言いながら、鬱の隣に座る
ゾムも元々お金持ちのお嬢様というわけではない
私と同じように普通の庶民として生活をしていた人間だ
表情からして、本気なのだろう
本当にあなたのことを生徒会に入れたいことが伝わる
あの子はあいつが連れてきた後輩だし…。
金銭感覚もバグってるわよ………
私と鬱お嬢様しかいないものだから、いつものお嬢様口調もだんだん外れていった
はぁ…というため息とともに腕を組む
ロボロは生粋のお嬢様である。
生徒会といっても皆が皆、生まれがお嬢様かと言われればそういう訳でもない
だけれど、ロボロとトントンに関しては、本当のお金持ちの家系に生まれここにいる
元々貧乏暮らしだった私とは訳が違うのだ
少しばかり沈黙が訪れる
もしかして、会話聞かれてたのかしら…?
どうしよう、どう弁解すれば……
図星だったのか、顔を真っ赤にさせ頬を膨らます
私たちが元々お嬢様でないこと、まだバレてないみたい
…………安心した
ごめんなさいね、あなた
先に帰ってしまうけれど………
って、あなたは私の事なんて待ってなかったわね
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!