何故か早乙女さんに質問攻め。答えてはいるものの、置いていかれそうなほど質問される。
白羽くんはもう既に置いていかれており、困惑したような笑顔でただ私たちの会話を聞いていた。
すると突然、早乙女さんははったしたように手を打った。
話の勢いについていけず、私はついそう聞いてしまう。すると、早乙女さんは至って不思議そうに首を傾げた。
確かにそうだ。でも、名札等でも先輩後輩かは分からない。なぜ彼女はそうだと知っているんだろうか。
というか、名言はしてないけど白羽くんからの対応も後輩的…というか。気にしていなかったけど、今の彼女の言葉を聞いて一気に気になってきた。
それを聞いて嬉しくなる。噂好きな彼女が有名なのは分かるが、私までとは知らなかった。しかも親友か…営業と情報システムがどっちも知っているということは、中々に広まっているのだろう。
つい口角が上がる。小夜とは親友だって、自認はあったけど人から言われるとくすぐったくて嬉しい。
それを聞いて、白羽くんも頷く。まぁ後輩と言え部署も違えば、立場もそれほど変わらないだろうから敬語じゃなくていい理由はない。でも、2人と話しているとすごく気が解れる。
ふっとみんな笑顔になって、いい空気が流れる。
そこで、白羽くんの姿を見て思い出した。そういえば、来たばかりの彼を引き止めてたんだ。長居しすぎたかな、とそわそわしてしまう。
白羽くんは、いつも通りにこにこ笑いながら言った。
そんな暖かい空気をそこそこに留め、一言交わしてから早乙女さんと一緒にその場を去る。
角を曲がる時に、ふと振り返る。まだ見送ってくれていてくれて、感謝代わりに軽く手を振った。
とん、と誰かと体がぶつかる。
情報システムの人かな。すれ違って会釈をしたその男性は、心做しかやつれたような顔をしていた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!