俺を優しく包み込んでくれる
ほとけを一生離したくなかった 。
俺が家で独り泣いている時 、
忘れ物を取りに来たこいつが
たまたまその光景を見てしまい
俺の方へ寄ってきて抱きしめてくれた 。
今まで誰かに
抱きしめられた記憶がない 。
だから 、 抱きしめられている今
人の暖かい温もりを初めて感じた 。
こんなにも暖かい温もりを感じて
「 辛い 」 なんて思えるわけない ... 。
でも ... こいつの
差し伸べてくれたやさしい手が
いつも俺を救ってくれたんだ 。
出そうになる涙を必死にこらえた 。
そう言って 、 ほとけは
荷物を持って玄関まで向かった 。
... 「 まだ一緒にいたい 。 」
けどこの気持ちを表に出すと余計
ほとけに迷惑をかけてしまう 。
それは絶対にダメなんだ 。
でも 、 何故だろう ... 。
俺の体は言うことをきかない 。
俺の体と心は時折ズレてる 。
嫌なのに反応してしまう 。
いいのに嬉しいのに避けてしまう 。
だから 、 今回も ...
ダメだと分かっていても体は
真逆のことをしてしまう
俺の手は気づけばほとけの
腕を掴んでいた ──── 。
ああ ... そういう事か 。
この明るい笑顔を 、
俺はこれから一生
守っていかなければいけないんだ 。
それが 、 ほとけと俺が
ずっと一緒にいる条件ってことなんだ 。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!