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第1話

プロローグ
71
2026/03/19 06:44 更新
あなた
おはよー!
ウンソク
ウンソク
おはよう
あなた
今日、結構寒いね…
ウンソク
ウンソク
ね、もう冬だね
あなた
ほんとだねー






他愛もない、たった2ターンちょっとの短い会話。


でも、私はこのたった一瞬ために毎日、この時間に学校に来ているのだ。


あと15分もすればクラスメイトが続々と登校し始め、すぐに賑やかな教室になる。





今だけ。





この静かな朝の15分だけ、ひそかに思いを寄せているクラスメイト、ソン・ウンソク君と私が教室に2人きり。





今だけは2人きり。





クラス替えをして、なんとなく、今日は早く行ってみよう、なんて思って初めて7:30に学校に登校した、5月の半ば。


その日、彼は静かに窓際にある自分の席に座り、窓の外を眺めていた。


初夏の痺れるように暑い、しかし爽やかな風が吹き込み、教室を支配する。


自分の体がこんなに熱を持っているのは、夏の気温のせいだけなのだろうか。



初恋だった。



その日を境に、私の高校生活最後の一年は、急速にスピードを上げて進み始めたように思う。






ウンソク君を目で追い始めてから、あまり変化のないクールな表情の内側に秘められた、暖かい部分を知った。


誰が見ているわけじゃなくても、そっと廊下に落ちているゴミを拾ってゴミ箱に入れるところ。


しれっと友達の罰掃除を手伝うところ。


電車で親子連れが乗ってきた時、こっそり席を立って隣の車両に移動するところ。


周りをよく見ていて、でもそれを周りには悟られないように振る舞っている。


小さなことの積み重ねだけど、そういう部分を幾つも知る度に、私の想いも加速していった。




でも、こんなにあなただけを見つめていたって、当のウンソク君は私の好意にたったの1㎜だって気づいていない。





不毛な恋。





初めて教室で言葉を交わしたあの日から、今も何一つ変わらない。私たちの関係は


"ただのクラスメイト"





卒業まであと4ヶ月。


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