これは誰の目からみてもわかる。
明らかに純さんの様子がおかしい。
絶対に異能関係してる。100%ね。
急にこっちに振るな偽純。
反応に困るわ。
光士郎さんがじれったそうに、つまらなさそうにして
偽純を睨見つける。
…なんか偽純って語呂いいな。
光士郎さんはそういって
引っ剥がしたにもかかわらず、懲りずに私の隣にいる
偽純の前にしゃがみ込んだ。
何をしだすのかと思えば
一方的な罵倒だった。
だけどそう罵る光士郎さんの後ろ姿は
いつにもまして怒っている感じがした。
隣りにいた偽純を思っきし拳で殴りつける。
右手はその様子をみていた千トの眼に
静かに自分の手をかざした。
この期に及んでなお純さんの変装を解かないなんて
とんだバカだな。
神柴さんはこの状況が理解できないと
言った様子で私に声をかける。
私の素を知らないものは
あっけにとられてその現場を
ただただみることしかできない。
右手や左手はもう慣れた、と言わんばかりの
表情でこちらを見る。
光士郎さんはまさかここまでやるとは
思っても見なかったのか、大きく目を見開く。
私は殴り飛ばした偽純の前に立ち、
目線を合わせるようにして腰を落とす。
するとその仕草にビクついた偽純は
右目の変装が次第に解けていった。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!