第75話

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2024/02/29 09:00
季節は2つすぎた。

お腹の子は38週目入った。

私は無痛分娩を選択した。

予約が撮れたのは来週。

ちなみに、お腹の子は女の子。
私は無理のない程度におばさんのお店の手伝いをしている。

彼のお母さんは私のお得意様。

カットの間、小さい頃の話をしてくれる。

彼のご家族も時々カットに来てくれる。

お腹の赤ちゃんの成長が楽しみらしい。
彼は、無痛分娩の日+2週間で仕事をあまり入れないようにしている。

いれても単発のバラエティーとか。

私の病気のこともあって優先させてもよいとの事。

考慮してくれた事務所の方々に感謝する日々。
家はただ今建設中。

彼の知り合いの設計士さんにお願いして、彼の思い描いた家が完成しそう。

すごく楽しみ。
あなた
おばさん、おはよう。
おばさん
あなたちゃん、おはよう。今日は?お腹張ったりしてへん?
あなた
全然大丈夫。出てくる気ないんやね。
おばさん
ママのお腹が快適なんやわ。
あなた
ママは会いたいんやけどね。
おばさん
今日は崇裕くんのお母さんの予約入ってたよね?
あなた
うん。今日は前髪カットだけやったはず。
おばさん
毎週来るねぇ。
あなた
そやね。嬉しいよ?心配してくれ…えっ?
ここで変な感触がした。

足元を見て状況を理解した。
あなた
おばさん、破水した。
おばさん
あら。お父さんに声かけてくるわ。いつでも車出せるように。
あなた
うん。ありがとう。病院に電話する。
スマホ取り出して病院に電話。

すぐ来てくださいだって。
おばさん
お父さん、車回してくれとるよ?
あなた
わかった。ありがとう。いってきます。
入院セットを持っておじさんの車へ。

一応下半身を大きめのごみ袋の中に入れて乗った。

車が出発して、今のうちに彼に電話。

…出ない。

本番中かな?

桐山さんにも電話。
きりやま
『もしもし、あなたちゃん?』
あなた
はい。いつもお世話になってます。崇裕くんって今、本番中ですか?
きりやま
『生放送の本番中やねん。どうかしたん?』
あなた
破水しまして、今病院に向かってます。
きりやま
『うおぉ!本番終わったら向かわせるわ!頑張ってな?』
あなた
ありがとうございます。よろしくお願いします。
きりやま
『おん!』
あれ、ちょっと痛い。

陣痛も来ちゃったかな?

…彼は間に合うかな。

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