第42話

証明
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2023/07/15 11:04



その日、私はお兄ちゃんに連れられ

薄暗い倉庫の中に着ていた

そして目の前には、東京卍會の制服を着た二人の男

確か五番隊の隊長 武藤なんたら通称ムーチョと

副隊長の三途なんたら

そして血塗れで拘束されている元黒龍の

乾なんたら通称イヌピーと九井…なんたら通称ココ

彼らと接点のない私は、現状に疑問だらけだった
稀咲鉄太
あなたの下の名前、お前は俺の駒だよな?
あなた
うん
それがどうしたの?
稀咲鉄太
何故、東卍の特攻服を着て集会に出た?
あなた
あー、アレはただの気まぐれ
お兄ちゃん着てたから
私も着てみたいなーって
稀咲鉄太
俺への宣戦布告とも取れたぞ?
その通りだよ?

なんて言ったらここで殺されるかw
あなた
な訳ないじゃんw
私、まだお兄ちゃん超えた自信ないし
けど私ってお兄ちゃんの
妹なのバレてる訳じゃん?
あーでもしないと誰も私に
情報流さないってw
稀咲鉄太
なら証明して見せろ
あなた
証明?
最近のお兄ちゃん

事ある事に私疑うなぁ…

私もまだまだって事か
稀咲鉄太
今から五番隊が花垣武道を
ここに連れて来る
お前はここで縛ってるコンビを監視してろ
あなた
りょーかい
東京卍會に好かれる為に逃がす
とかじゃなくて良いのね?
稀咲鉄太
 あぁ、お前はそこで
事が終わるのを見てればいい
あなた
はーい

元気に挨拶をすると倉庫から出て行く三人

私が1人になると

黙って聞いていた九井が顔を上げた
九井一
随分と兄貴に媚びてんなお前
乾 青宗
…やっぱりお前は…たけみっちの
東卍の味方じゃなかったか
あなた
……
九井一
んだよ、話くらいしようぜ
お互い暇だろ
あなた
…マイキーに言うなら言えばいい
どうせ聞いて貰えないだろうけど
乾 青宗
っ、たけみっちを連れて来て
何するつもりだ
あなた
知らなァい
お兄ちゃんに聞いてよ
私手伝ってるだけだし
乾 青宗
っ、裏切り者が
あなた
裏切り?ウケるw
別に裏切ってないじゃん
そもそも私、東京卍會入ってないしw
乾 青宗
っ、それでもお前は!
あなた
あーぁ五月蝿
お兄ちゃん、見張ってろって言ったけど
傷付けるなとは言ってなかったよね?
乾 青宗
あ?
九井一
やめろイヌピー
その女は本気だ
乾 青宗
けど!!
あなた
ねぇお兄さん達って高校生だよね?
それに比べて私は中一
うん、少し遊んでよ
九井一
遊びだ?
あなた
えー、義務教育の子供が暇してたら
遊んでくれるのが
世の中ってモノでしょ?
九井一
どんな世の中だよ
私は懐にしまった小型ナイフを取り出し

ココに近寄ってみる

濱田を殺した時、私は濱田に毒を使った

苦しみながら私に縋って助けを求める姿は

快感以外何物でもなかった

この人達はどんな顔を見せてくれるんだろう?

楽しみ…♡

乾 青宗
ココから離れろ!
あなた
えぇーやだぁ
だって私の事を詮索する
イヌピーさんが悪いんだよ?
私はイヌピーって男に笑顔を向けたまま

ココの傷口をナイフで広げてみる
九井一
っァァあっ!!!
乾 青宗
っや、やめろ!!
あなた
おおお!なるほどそんな顔するのか!
へぇー可愛い♪
九井一
っ、おいガキ
あなた
ガキじゃないあなたの下の名前
九井一
こんな事して楽しいのか?
他に楽しい事あんだろ
ガキらしくゲームしたりかけっこしたり
あなた
えー、それお金で人をいたぶってた
アンタらには言われたくなくない?
九井一
それはそうだろうが
あなた
イヌピーさんが
マイキーに…東京卍會皆に
黙っててくれるって言うなら
辞めてあげてもいーよ?


ーーグサッ
九井一
っぁぁっ!!!
乾 青宗
っ、わ、分かった辞める
お前の事には二度と触れない
だからもう辞めてくれっ!!
あなた
なんだよ、そんなにこの男が大事なんだ
同じ顔で同じ事しか言わないし
つまんない
私がナイフを片付けると、ほっとしたイヌピー

すると直ぐに、ボロボロの武道を連れた

ムーチョと三途が戻ってくる
武藤泰宏
……お前、なんかしたか?
あなた
別にー、ちょっと遊んでただけ
武藤泰宏
そうか
あなた
私、何したらいーの?
武藤泰宏
三途と一緒に居ろ
邪魔だから動くんじゃねぇぞ
あなた
ほーい


その後、目を覚ました武道は状況が分からないわまま

私を見て驚いていた

私だって何で五番隊が

お兄ちゃん側に居るのか知らないんだ

手を振って挨拶する事ぐらいしか出来ない。

ムーチョが武道の前に腰を下ろし

状況を説明してくれる

どうやら天竺のボス

マイキーのお兄ちゃんは黒龍の八代目だったらしい

イヌピーはその下にいた訳だが

今や一番隊の武道の下に、自らの意思で居る

そんな中で金の扱いが上手かったココを

天竺は欲しているらしい。

後の理屈は簡単だ

ココはイヌピーの傍を離れない

だがイヌピーは一番隊に夢中

それなら二人をボコって

自らココが入ると言えばいい




そして、思惑通りそれを許さない武道とイヌピーは

手足を縛られたままムーチョに立ち向かう

そして、既にボロボロなのに

更に殴られる二人を見て

ココは、天竺に行くと宣言してしまった。


用の済んだムーチョは武道達から手を離し

ココを連れ帰る事にした。







ボロボロな二人を残して家に帰った私は

既に家に居たお兄ちゃんの部屋の前に立った

扉を開けてくれたお兄ちゃんに私は顔を向ける
あなた
ねぇ
稀咲鉄太
用があるなら入れ
あなた
やだ
稀咲鉄太
は?
あなた
だって今めっちゃにやけ止まらないもん
稀咲鉄太
見れば分かる何がおかしい
あなた
イヌピーの叫んだ顔可愛かった
稀咲鉄太
あー、報告なら聞いた
傷を増やしたんだってな
あなた
増やしてないよ?
元々あった傷をちょっと触ってみただけ
稀咲鉄太
……そうか
疑って悪かったな
あなた
んーん、私が下手くそなのが悪いから
稀咲鉄太
直に半間がくる
中で待ってるか?
あなた
え、なんで私が半間待つの?
稀咲鉄太
ん?仲良いだろ
お?仲良く思われてる?

基本お兄ちゃん居る時しか話してないのに?

これって私の成果じゃない?

キタコレ

利用する他ないでしょ
あなた
じゃぁ待ってる
半間とゲームしてい?
稀咲鉄太
好きにしろ

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