いふside
車椅子ごと派手に倒れ、まだ車椅子の車輪がまわっている。
右手を動かそうと思っても動かんくなってきて。
もう体が麻痺した感じで感覚が変。
今までに何度も同じことになっとるけど、やっぱ慣れない。
意識も飛びそうになっていると、ばんっっ!と乱暴に部屋のドアが開く音がした。
今度はドタドタと部屋からほとけが出ていく音がする。
左に倒れたら左肩がまだ痛い。
10分後にほとけが水を持って戻ってきた。
ほとけは俺を床から起こし、机にある薬を飲ませてくれる。
薬が効くまで10分くらい。
それまでは本当に何もできない。
弱々しく俺がそういったのが聞こえたのか、ほとけは俺を抱いてベットに連れてってくれる。
こいつ…普段はブラコンなくせに、俺の発作の時は無駄にかっこいいんやから…(((
ほとけは俺をベットにおろし、布団をかけてくれた。
…もうブラコン兄に戻ったんかよ
ほとけは苦笑いすると俺の部屋からゆっくり出ていった。
1人になった部屋で、ちょっと動く様になった体で、
俺はただぼーっとした。
ほとけside
いふくんの発作……いつくるかわからないんだよね…
だからお母さんたちもいふくんの一人暮らしに反対……っていうね。
っていうか「10分いふくんと一緒にいようか?」って言ったのに即答で「遠慮します」って!!
悲しすぎるでしょぉ…
もうちょっと兄を頼ってくんないかな…
まぁでも1人の時間も必要かぁ…
僕はそう考え直し、自室に向かおうとする。
すると、陽気に「ぴんぽおおおおおおぉん!!」と家のチャイムがなった。
「ぴんぽおおおおおおおおん!!」
特にUberも頼んでないし、ネットショッピングもしてない気がする…
不思議に思いつつドアを開けてみると
いやいやいや、カオスすぎない???
ドアを開ければ派手な髪色の「メンバー」が4人。
最近猫を飼い始めたしょうちゃんと
筋肉おばけのあにきと
僕の推しのりうちゃんと()
僕らのリーダーのないちゃん
そんで僕を合わせて「いれいす」っていうグループ
あ、いふくんは入ってないよ。
そもそもメンバーもいふくんのこと知らないだろうしね。
とりあえず4人をうちの玄関で長居させるわけにもいかないので、リビングに4人を誘導させる。
いふくん起きちゃったかなぁ…ww
語尾に♡をつけてあにきにいふくんのかわいさとかっこよさをアピールする。
あにきはドン引きしたけど(シュン
ドン引きしつつも話を聞いてくれるあにき
いや、多分いふくんも僕のこと好きだから大丈夫でしょ!うん!!!!((
5人で話しているとあっという間にリビングに着く。
あ、いふくんのパソコン開きっぱなしだ…
とりあえず4人に麦茶を出し、僕はいふくんの部屋に向かった。
いふside
…リビングからめっちゃ声が聞こえとる…((
そういやほとけって「歌い手」やってるんやっけ…?
グループのあほ担当ってこの前言われた気する…
メンバーさんでもきたんかな?
不思議に思いつつ、俺はゆっくり体を起こす。
もう10分以上経ったから
薬も効いてきて体も動く。
手をグーパーしてもだいぶ動くようになった。
車椅子に乗ろうかと思っていると、いきなりドアが開く。
相変わらずうるさいねんこいつ…(
ほとけにお姫様抱っこされ、車椅子に乗せられる。
満面の笑みで俺を見てくる兄を見て、若干キモいと思った(((
俺が不貞腐れていると、ほとけが一回手を叩き、何かを思い出したかのように言った。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。