俺はレオ。そこらへんにいる普通の高校2年生だ。でも近頃は、ホールに行くことが多い。その理由は…
そう。モモくんというとっても最高級にかっこいいアイドルのライブを観るためである。
俺がモモくんにハマったのは、ダショとビビがショーやストリートの歌の参考にするために、一緒にライブを見に行ったのがきっかけで、そこで一瞬でファンになった。ダショもビビもそんなにハマってなくてビックリした。
周りにファンもあまりいないし…って!!
携帯のロック画面を見たら、もう14時になろうとしている。
モモくんは、他のアイドルと違って、路上ライブとかを多めにやってくれるのである。
仕事とかで忙しいのに、よくできるなって思う。
俺は急いで駅に戻る。運動不足だろうか。
もう息切れが凄い。
開演まであと2分。ギリギリである。
お客さんも結構来ているようだ。
俺はカバンから黒いペンライトケースを取り出し、中からペンライトを出す。
この待っている時間が、ドキドキする。
でも、始まったら…
…もっとドキドキするっ!!
こんなの号泣案件である。あんなにウインクして、あんなに手を振ってくれて、あんなに
ニコニコして…あぁ〜もう…全部好き…!
…っ…どうしよ…涙、全然止まらないなぁ…
とりあえずそこに寄りかかって、涙拭こう…
ハンカチに涙が滲む。あの顔を思い出すたび、幸せと嬉しさでまた涙が出てくる。
また、明日も頑張れる。
これを毎回繰り返しているのである。
本当に、モモくんのおかげで毎日が辛くても幸せ。…うれしいな。
ズ…ズン
突然、揺れたような衝撃があったが、すぐに止んでしまった。
辺りを見渡そうと顔を上げた瞬間、恐怖で
肩が震えた。
黒いもの。何か黒くて丸いものがある。
それだけじゃない。それに人が入っていたのだ。
違う。目をこすっても、黒いものは消えない。
その瞬間、風が起こったと共に、その丸いものは大きな怪物に変わってしまった。
俺は、風に押されて、後ろに倒れてしまった。
いつも駅に来ているのに、こんなことあったただろうか?何かの現象なのか?それとも
事故?
その時だった。
誰か手を差し伸べてくれてる。こんなとこ見られちゃって、恥ずかしいな。
でも、優しい声。聞き馴染みがあった。
俺はその温かい手を掴み、起きあがる。
そこにいたのは…あの時ステージで輝いていた、モモくんだった。…信じられなかった。
もちろんですとも。毎日見てますとも。
でもそんなことを言う勇気がない。
言われるがままに、俺は駅の壁の方に走った。…駅にいる人たちは、この怪物が見えてないのか…?皆いつものように道を歩いている。
それとも気付かないふりしてるのか…?
違う、待って。モモくんが…!話しかけてくれた…!
情報が渋滞して混乱している。
俺は、壁からモモくんを見ようとそっと覗いたら…え…?
モモくんは、緑の光をまとって何かしている。魔法みたいにキラキラしていて綺麗だ。
光が弱くなって、やっと見える、と思ったら、
今までとは見たことのない衣装で。髪で。
凛と立っていた。
衣装は…和服?遠くからでよく見えないが、
よく見たらお腹…出ている?
髪は、いつもの分け目ではなく、右に流れていて、後ろ髪が長くなり、結われている。
ライブでも見たことのないモモくんだった。
するとモモくんは、鉄のスロープを飛び越えて、怪物の方に飛んでいった。
そこから、あまり記憶がない。
モモくんが戦っていたのがあまりに綺麗で、多分気絶していたんだと思う。
身を翻す姿だったり、技を出したり、とても…
素敵だったんだと思う。
そして、はっと気がついたと思ったら、モモくんはもういなくなっていた。
もうすっかりあの怪物を倒して、俺のことを探しているんじゃないかと思って、壁から出てきた瞬間…
ドガァァァン!
地面が大きく揺れた。さっきのより強い。
それより、モモくんは…?モモくんはどこにいるんだろうか。
壁から離れて、スロープを見下ろした時、
衝撃なものを見てしまった。
モモくんが下で倒れている。さっきの姿で。
俺は無我夢中に走った。階段を転びそうになりながら降りて、道路の方に走っていった。むせそうになっても、なんとか走った。
モモくんのために。
もうすぐ見える。…見えた。モモくん。
青く長い髪が見える。黒い和服がぼろぼろだ。
俺はモモくんの肩に手をかけ、起き上がらせる。きれいな髪が揺れる。
すると、モモくんの小さなまぶたが持ち上がった。
何か言いたそうにしている。でも、街の音で聞こえない。
モモくんは後ろに目をやる。
俺も後ろを振り向いたら、なんと、怪物がすぐそこまで来ていた。
モモくんはあの怪物にやられたのだ。
今気付くことができた。
どんどん俺の方に怪物が迫ってくる。逃げたい、けど、モモくんを置いて逃げれない。
だってこのままだと、モモくんがまた
やられちゃう…
…俺の中で、覚悟が決まった。
モモくんの上に覆い被さって、モモくんの
ことを隠す。
これしか、できることはないと思った。
もう、消えたって良い。モモくんのために
消えれるなら本望。
俺は怪物に目をやる。
すると、もう怪物がすぐそばにいて、黒い攻撃を出そうとしている。
モモくんに添えている手の力が、強くなる。
なんだって来いっ…!これ以上、モモくんを…傷つけさせたくない!!
モモくんを…守るんだっ!!
来るっ!!
…ドガァァァァァン!!
咄嗟に目を閉じた。すごい衝撃だ。
…あれ…?痛くない…?
モモくんは…ここにいる…よね…?
すると、モモくんが驚いた表情で怪物を見る。
俺は、モモくんの目線の先を見る。
視界が…青い…!!
なんと、攻撃は、青いバリアで跳ね返されていた。あの衝撃は、怪物が攻撃で飛ばされて、地面に落ちたときの音だったのか。
すると、俺の目の前に強い光の玉が現れた。
…へ?
言われたとおりに手に取ってみたら、いっそう光が強くなって、光の形が変わった。
手の中には、青い光り輝く宝石がある。
何が起こっているか分からない。けど、
戦闘でボロボロのモモくんを見て、やらないわけにはいかなかった。
すると、急に青い光に包まれて、体が宙に浮いた。
手を伸ばすと、青い光が集まってきて、小さな青い欠片に変わった。
ジェムを上に投げると、小さな香水に変わった。それをキャッチして、欠片を香水のくぼみにはめる。
青い光が一斉に集まって、視界が眩しくなる。
その香水を体に吹きかけると、俺の体に冷たく纏わりつき、衣装がどんどん変わっていった。変わる瞬間、体が少しむず痒い。
頭に吹きかけると、髪が持ち上がり、髪型が変わっていくのを感じた。その時、頭のてっぺんに違和感を感じた。そのまま下に落ちていき、着地したと同時に、そっと俺は
目を開けた。体がふわふわする。
気づいたら体が勝手に動いていた。
本当に意味がわからない。
隣にいるモモくんは、苦しそうな表情から、安心した表情に変わっていた。
そう言って近づいてきて、俺のことを抱きしめた。
そうやって俺にウインクをする。
心臓が飛び出そうだ。
…行こう。アイツはモモくんを傷つけた。
絶対…許せない!!
俺は足に力を入れて、飛んだ。
怪物は、俺の方を見て、攻撃を繰り出す。
避けようと咄嗟に身を翻したら、よろけて
真っ逆さまに落ちていった。
モモくんが、俺をキャッチしてくれた。
モモくんの腕…ふかふか…!!
それに…今名前を呼んでくれたよね……??
そう言って、モモくんは素早く怪物の後ろに回る。
…俺も、何かやらなきゃ。モモくんの為に何か…!
ピカッ!
すると、また青い光が手から溢れてきて、どんどん光が大きくなる。
その光から出てきたものは…
青く煌めくギターが俺の前に現れたのである。
確かに、ギターは趣味で弾いたりするが、まさかここまで俺の想いが反映されてるなんて、びっくりした。
俺はそのギターを手に取り、肩にかける。
すると、小さな光がもう一つ現れて、ピックが出てきた。
そのピックを持ち、ギターを構える。
チューニングもバッチリだ。
モモくんもいつの間にか小さい黒い扇子を
持っていた。
あのモモくんと息を合わせて、攻撃なんて、
緊張する。正直、まだ何が起きているのか分からない。だけど、やるしかない。
俺はギターをかき鳴らす。想いのままに。
すると俺の音が青い光の玉に変わり、すごい勢いで怪物の方に飛んでいく。
モモくんは高く飛んで、扇子を使って風を起こしていた。
すごい威力だ。
怪物は両方の攻撃も受け止めきれなく、体勢が崩れた。
モモくんがこっちへ駆け寄り僕の手を掴む。
もう変な声しか出ない。
だってあのモモくんと一緒に戦って、手を繋いでいるんだもん!
モモくんは僕に笑いかけたあと、怪物の方をまっすぐ見た。
俺も、怪物に睨みつける。
二人の手が固く結ばれる。
「「想いよ重なれ!レグルス・ノーヴァ・
フュージョン!」」
すると、怪物に俺達の攻撃が当たって、
そのまま黒い皮が破け落ちた。
中にいた人も助けられたようだ。
また訳分かんないことを言ってしまった。
何なんだろうこれ。
情報量が多すぎてもうヘトヘトである。
モモくんのこと、ちゃんとアシストできたのかな…?
モモくんが、ポケットから鏡を出して、見せてくれた。
なんと、俺の頭から犬耳が生えてて、おまけには尻尾までついていた。
気づかなかった。
いや、それをモモくんに見られてたなんて……
ええぇぇぇぇ〜〜〜っっ!?!?
高校2年生。レオ。
たった今、アイドルになっちゃいました…!
アイドルって、"これ"だったんだ…!
モモと一緒にアイドルなんて、務まるの??
モモくんの過去も明らかに!
次回!
モモくんの秘密?
輝くクローバーのステージ!
キュアノーヴァ!
来週もレッツスマイルSky Blue!
また見てね!













![# 攻略対象より悪役に惚れました . [ 冬司ver ]](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/463Ienje96SMnaxqeg7tvIaFh9p1/cover/01K566339R5TNCGP01WCWNSK9G_resized_240x340.jpg)


編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!