栞￤…………ここ、は…

あなた￤…ん…

あなた￤ふぁぁ…やっと目が覚めたのね…

栞￤っ！！

栞￤あんたっ、よくも私をっ…！！！！！

ガバっと起き上がり、襲いかかろうとする栞。

栞￤…うぷっ……！！！！！

あなた￤まだ完全に回復したわけじゃないし、トラウマにもなっただろうから…少しは安静にしときなさい

栞￤…っ…なんで、ここに…

あなた￤私の執事が助けてくれたのよ。

栞￤……あんた、最初から分かってたの…？

栞￤…そうでなければ、あんな行動はとてもできないわ…

あなた￤私は執事を信じただけよ。だからあなたが何をしたかったのかまだわかってない。

あなた￤…改めて、助けたお礼に全て白状するのはどうかしら。

栞￤………

栞￤……はぁ…分かったわ、話すわよ…

栞￤病弱な妹を助けるため、って言ったわよね。

あなた￤えぇ…海瀬 ネオちゃん、でしょう？

栞￤っ！…そう、ネオは昔から病気でどこにも行けなくて、私が養ってたわ。

栞￤私は、貧乏じゃないし…どちらかと言えば富裕層な方だわ。お金には困らなかったし、治療費だっていくらでも出せた。

栞￤でも親は、ネオに興味がなかった。全て介護も私に任せて、お金だけは出す…いわゆる、育児放棄と似てた。

栞￤ネオは一向に良くならなくて、だんだん衰弱していった。今の技術じゃもう無理だと言われ、ネオは病院に追い出された。

栞￤そんな時に現れたのがボスで。妹を助けてやるし、お金も出すからついて来いって言われた。

栞￤でも、今回は私の仕業よ。あなたの全てがほしかったの。あなたの権力や地位さえ奪えば…

栞￤妹は、助けられるって分かってたから…

あなた￤…そう。

あなた￤…何も、あなただけ頑張らなくたっていいじゃない。

栞￤っ…！

栞￤私が頑張らないと、誰が頑張るのよ！！！！

あなた￤簡単よ。誰かに、助けてって言えばいいの。

栞￤…それが容易くできるほど、世の中簡単じゃないのよ。あんたならそれが分かるでしょ…？

あなた￤…視野が狭いわね…

あなた￤目の前に、助けてくれる人がいるじゃないの

栞￤…は…？

あなた￤私に、助けてって言えばいいのよ！

栞￤…

栞￤馬鹿じゃないの…

栞￤あんた、私をそんなにからかって楽しい？

あなた￤からかってないわ。

あなた￤私はあなたを許すつもりは無いけど、事情があるなら別よ。

あなた￤…助けてって言えば、楽になるわ

栞￤…誰が言うものかっ…

あなた￤…

優しく、包み込むように栞を抱きしめる。

栞￤ちょっ…！！

あなた￤あなたはよく頑張ったわ…今まであなたを見つけられなくてごめんなさい。辛かったでしょう。誰も助けを呼べない孤独は想像以上に苦しいものね

あなた￤でも、ここで私を頼ったら。あなたの未来は、苦しい未来は変わるのよ。

栞￤っ…

栞￤ほんとに、助けてくれるの…？

あなた￤もちろんよ。もう1人にさせないわ

栞￤…

栞￤＿＿＿＿＿たす、けて…

あなた￤………分かったわ。

…





莉犬￤ほんとに助けてよかったのですか？

ころん￤あいつ、お嬢様を利用しただけじゃないですか

あなた￤…私が本当に助けるだけだと思った？

莉犬￤へ？

あなた￤前から、海瀬さんのところは目につけてたのよ…私たちの家系に関する重要な書類の持ち主だってわかったからね

あなた￤この機会に、私はとことんあの子たちを利用するわよ。せっかく仲良くする機会ができたのだからね

るぅと￤さっすがお嬢様〜♡何から何まで計画的ですね♡

あなた￤まぁ、まだそんなに考えてなくても平気だから。気楽に距離を詰めていけばいいわ

ころん￤…無理しないでくださいね

あなた￤えぇ、もちろんよ

あなた￤ていうか…困ったら、あなたたちがついてるもの。

莉犬￤っ〜！お嬢様ーーー♡♡♡